goo blog サービス終了のお知らせ 

書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

『徒然草』第209段「人の田を論ずるもの、・・・」

2017年12月11日 | 抜き書き
 引用はこちらから。

 人の田を論ずるもの、訴(うった)へにまけて、嫉(ねた)さに、「その田を刈りて取れ」とて、人をつかはしけるに、まづ、道すがらの田をさへ刈りもて行くを、「これは論じ給ふ所にあらず。いかにかくは」といひければ、刈るものども、「その所とても、刈るべき理なけれども、僻事せむとてまかるものなれば、いづくをか刈らざらん」とぞいひける。
 理(ことわ)り、いとをかしかりけり。


 「刈るべき理」の「理」と、「いとおかしかりけり」の「理(ことわり)」は意味が異なっている。前者はないが、後者は(あって)おもしろいというのだから。後者はいまで言う「理屈」である。前者はなにか。