冒頭の大先生の総論にして導論を兼ねる論文を除き、後の各論が頭悪そうもしくは知的関心の薄そうな人々によって書かれた地域研究論集を読んだ。“言語篇”と掲げながら全体のテーマがなく論題がばらばらで、思索も狭く浅くて研究ノートか綴方のよう、「とりあえず形に纏めればそれでいい」という作り手の知的退廃が窺われて恐ろしい。これで“新たなる某地域の研究”と銘打つのだからさらに恐ろしい。このシリーズは“文学篇”、“歴史篇”とあと2冊あるのだが、起死回生の一発はあるのか。
否、御本人たちがそれで別に問題を感じておられないのならば(だから出版したのだろう)、起死回生も糞もあるまい。他人の疝気を頭痛に病むとはまさにこのこと。
否、御本人たちがそれで別に問題を感じておられないのならば(だから出版したのだろう)、起死回生も糞もあるまい。他人の疝気を頭痛に病むとはまさにこのこと。