「不(ず)」「也」などの助詞は平仮名書きにするとあるが、同じ助詞でも「有」「無」「所」「非」「以」は仮名書きにしてもしなくてもよいとあるのは、いったいどういう基準の線引きによるものであろう。67頁。また21頁。
例えば岩波文庫の『日本外史』と有朋堂文庫の『十八史略』であるが、これらを並べて覧ると、同じ書き下し文でも細部ではずいぶん違ってくるものである。「之」を前者は「これ」と表記し、後者は「之」とそのままで書く。慣習ならんか。加えてこんにちの入試基準の漢文指導では、字音語は現代仮名遣いに、字訓語は歴史的仮名遣いにと教える例がある由など、もう私には原則がわからず理解を超える。
(学燈社 1982年12月)
例えば岩波文庫の『日本外史』と有朋堂文庫の『十八史略』であるが、これらを並べて覧ると、同じ書き下し文でも細部ではずいぶん違ってくるものである。「之」を前者は「これ」と表記し、後者は「之」とそのままで書く。慣習ならんか。加えてこんにちの入試基準の漢文指導では、字音語は現代仮名遣いに、字訓語は歴史的仮名遣いにと教える例がある由など、もう私には原則がわからず理解を超える。
(学燈社 1982年12月)