書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

お年を召すと理屈が通じなくなるのだなと実感させられる例を、外出先で・・・

2018年09月12日 | 思考の断片
 お年を召すと理屈が通じなくなるのだなと実感させられる例を、外出先で目の当たりにした。言動が支離滅裂なのは、たったいまご自分が言ったことや為たことを忘れておられるか、憶えていても気分もしくは性格、もしくは人格が変化するせいかと思える。高齢化社会が進むとはこの現象が至る所で見られるようになる、いなむしろ常態となるということだろうかとふと考えた。そして自分がそうなることはむろん十分に考えられることだとも。
 そういう状態に立ち至ったひとは、こちらがいちいちまともに相手にしていると実現不可能な無茶苦茶をそのまま実現するべく強いてくるし、できないと言うと激情に任せて平気で無礼な言動にも及ぶので、理も非もない感情だけの相手にはそれ以上の量と程度の感情をぶつけて怯ませるしかないのかもしれないとも考えさせられる。私は一度やってしまったことがある。
 ひとは老いると幼児に戻るという。成程いわゆる魔の3歳児に似通う所があると見ていて思った。しかし正真の3歳児にはこれから昇る一方の熾んな生命の輝きと美とがあるが、己の人生の収穫を終えて人生を下ってゆく老人が同じ事をするのは、その人自身には如何ともし難いことかもしれないものの、一種無残さを感じさせた。