著者は類似(=類推)を、思考(=推論=帰納+演繹)同様、人間の認知機能の一つであり、またこれら類推・帰納・演繹のそれぞれが「記憶」「検索と想起」「カテゴリー化」「例示化」といったより基礎的な認知プロセスの「ある特殊な形の融合」ではないかと説く(「はじめに」viii頁)。類推とは「知りたいこと,あるいはよく知らないことをよく知っていることにたとえて考えることを指す」(「第2章 類推とは」13頁)。つまりまったく同じとは必ずしもいえないが、「比喩」とよく似た心的活動である由。
(共立出版 1996年12月)
(共立出版 1996年12月)