くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「なたねおりひめ」さねとうあきら

2019-07-24 19:28:12 | YA・児童書
 県図書館に来ております。先日の研修で書棚までは見られなかったので。
 幼少期に大好きだった「なたねおりひめ」(ポプラ社)を出してもらって読みました。
 やさぶろう谷に住むハナとキク姉妹は、まるで似ていないのに仲良しです。美人のキクは、姉を手助けするのですが、やっかいばらいをしたい母が飢饉の人身御供にとハナを差し出したため、悲しくて泣き続けて失明してしまいます。
 視力を失いながらも機織りをするキクのもとに、ハナの夫だという男が現れて。
 ゴンゲンさまに願いごとをするハナの思いに涙が出ます。
 しかし、これ、再販は無理でしょうね。今なら差別と取られる表現が結構多いのです。ハナとキクの哀れさを表すためかと思いますが。
 以前の飢饉のときに、育てることはできないだろうと一旦捨てた赤子。山の別の場所で泣いている赤ん坊を見た父親が、自分の子だろうと連れ帰ったのがハナだと語る母。
 姉を思い続けるキクと、ゴンゲンさまの妻として生まれ代わったハナは、月の夜にやさぶろう谷で姉妹の時間を過ごします。
 館内閲覧の本なので、借りることはできません。
 時々無性に読みたくなるのですよね。