くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「身近な雑草のふしぎ」森昭彦

2015-12-16 05:26:04 | 自然科学
 文化祭の準備にあたって、「こわい植物を知りたい」とある委員会から相談を受けました。
 こわいって、どんな?
 食虫植物とかドラッグとか毒草とかということなので、「薬草図鑑」と「植物のくらし」「食虫植物」、あと「ポプラディア」の解説ページを探して渡しました。
 自分では普段意識しないジャンルを発見するの、おもしろいですね。
 そういうわけで、「身近な雑草のふしぎ」(ソフトバンククリエイティブ)を購入しました。

 著者の森昭彦さんは、どうやらわたしと同じ年らしい。サブタイトルにしては長いのですが、「野原の薬草・毒草から道草まで、魅力あふれる不思議な世界にようこそ」とあり、本当にその通りの内容です。
 自分たちの身の回りにある雑草が、気になってくる。
 前後して「すき間植物の世界」という本も読んだせいでしょうか。これまで「雑草」と一括りにしてきた植物が、自分らしい顔に見えてくるんです。
 わたしは幼いころ、学習百科事典(子ども用)が非常に好きで繰り返し読んだため、結構植物の名称は知っている方だと思います。
 ただ、こちらに紹介されている植物での70%は知りません。
 なかでも衝撃を受けたのはコミカンソウ。一昨年、花壇の草取りをしていて「オジギソウでは?」と思って植え替えたら枯れてしまった、あれはこの草なのでは?
 通勤しながらも、道端が気になってなりません。
 しかし、最近セイタカアワダチソウが増えすぎて、なんだか不安を感じます。

 森さんの語り口も絶妙です。
 「シロザとアカザ」のページが特に気に入っています。
 数年前、シロザやアカザを探しているという人にやたらと出会い、理由を聞いても言葉を濁されるというのです。
 シロザなんて、道路脇のベルト状花壇に嫌というほど生えていますけどね。夏場は駅伝練習しながら引っこ抜く毎日でした。
 とはいえ、わたし自身もアカザとシロザを混同して覚えていました。
 言われてみれば確かに、アカザは見かけない、かな?
 夏になったら探してみます。

「うなぎ」

2015-09-06 05:03:52 | 自然科学
 毎年読書感想文の季節には、課題図書のブックトークをしますが、今年はこれがいちばん話しやすかった。塚本勝巳「うなぎ 一億年の謎を追う」(学研)。
 というのも「ブロード街の12日間」の主人公は、自分を「イール」(うなぎ)と名乗っているのですね。だから、つなぎやすい。
 また、三年生は絶滅についての学習材を終えたところなので、「うなぎも絶滅危惧種である」ということを伝えることで関心を引くことができるわけです。

 うちでは食卓にうなぎがのぼることはほとんどないので、ときどきすごく食べたい気持ちになります。
 何故出てこないのかといえば、おばあちゃんが国産にこだわっているから。どうしても輸入ものが多いですよね。でも、国産が高額なのはどうしてか。
 やはり、うなぎの数が減っているからですね。というのも、うなぎの養殖って海から稚魚(シラス)をとってきて育てるのだそうです。しかも、卵は塚本先生が発見するまでどこでどのように出産するのかさえわからなかったんですよ。
 この広い海で、うなぎの産卵場所はごくごく狭いところなのではないか。おそらく体育館二つ分ほどの限られたスペースだろうと、先生は考えます。
 体育館! 実際に立ってみるとかなり広い場所ではありますが(うなぎの体からみると、相当広いのでしょう)、そのまわりがひたすらに海だとしたら。
 それをピンポイントでみつけるのは、相当途方もないことではないでしょうか。
 塚本先生が研究にかかわって、プレレプトを採取するのに十四年、卵までにはさらに四年。この研究が始まってから、四十年の歳月が費やされたのだそうです。
 先人の考えがうまくつながっていくこと、様々な人の協力があったことが、このような成果になったのだと思いました。
 そう考えると、うなぎの研究はたくさんの「知」の積み重ねによって結実したのだと思います。

 塚本先生はあらゆる手段でうなぎの謎に迫ろうとしますが、中でも印象的だったのは潜水艦です!
 科学館で「しんかい」に乗ったことがありますが、体の大きいわたしには身動きがとりにくかった。
 しかもこのヤーゴという潜水艦、二人乗りなんです。つまり、運転手と塚本先生しか潜れない。
 この最先端の潜水艦を使うための準備でも、ご苦労されたことがよくわかります。

 でも、卵がとれたことはひとつのゴールですが、新しい出発点でもあります。
 うなぎを絶滅させないためにも、これからまた研究を続けていくことになるでしょう。
 もちろんそれはうなぎだけではなく、ほかの生き物たちにも共通する課題といえるのだと思います。(最近ラジオで聞きましたが、マグロの養殖も稚魚から育てる方式だそうですね)
 もしかしたら、今この瞬間も海に出ているかも知れない塚本先生たち。さらなる研究成果がありますように。

「滅びゆく動物」藤原英司

2015-07-09 20:41:02 | 自然科学
 最近似たようなタイトルばかり読んでいるような気がしますが、仕事なので仕方ないです。(好きで読んでいるんですけどね)
 「絶滅の意味」という論説文の補助資料です。内容をまとめて、そのあと調べ学習をするので、地道に入手しているのですが、先日、仙台駅前の大型書店でこの本を発見しました。
 藤原英司「滅びゆく動物」(保育社)。「カラー自然ガイド」の一冊です。やたらと懐かしい感じの写真なので、奥付で確認したところ……。
 初版は、昭和五十年発行……。改定して平成六年の発売でした。定価七百円です。(本体680円と書いてあるんですが……)
 
 のっけから、「ビクーナ」という動物登場! 「ビクニア」ともいうそうです。
 今まで十冊は絶滅に関わる本を読んできたけど、記憶にないよ! しかも、当時アルパカとの交配が試みられて、「パカビクーナ」という交雑種が誕生しているだそうです。えっ、この三十数年の間に、この動物はどうなったのでしょうか? それとも、現在では違う名称で呼ばれているとか?
 というのも、しばらく読んでいくと「ノトルニス」という飛べない鳥が紹介されていて、こちらは現在「タカへ」と呼ばれることが多いのです。
 交雑種は、遺伝子的に固有の生物と変わってしまうので、現在ならそういう種の保存はしないはず。
 さらに、ラッコの減少とセットで語られることの多い、ジャイアントケルプの海底林の破壊には触れられていません。ということは、キーストーン種という考えもまだなかったのかも。

 さて、後半には「なぜ減っていく動物を救わなければならないのか」という項があります。
 衝撃でした。7つの例が紹介されています。
「人類の滅亡を防ぐため」「子孫にありのままの自然を残すため」「人間のリクレーションに必要だから」「動物研究のため」「生態系保全のため」「可哀そうだからー生命をもつもの同士の連帯意識」「神が造った生命を守るため」
 何冊か続けて読んでいるので、同じテーマの文章にも出会ってきたのですが、例えば教科書の文章とは異なる部分がある。こちらは、生態系の中でキーストーンになる生物が予め分かるわけではないこと、将来役に立つかもしれない資源の可能性を失うこと、絶滅してから取り戻すことはできないこと(不可逆性)をあげていました。時期によって考えも変わるのだなと思います。
 
 ところで、ビクーナについて調べたところ、織り物に使う体毛のみを効率よく刈り取る方法が確立したため、濫獲が減ったそうです!
 そうやって種を救うことができるって、いいなあと思いました。

「空を飛ばない鳥たち」

2015-06-08 19:03:45 | 自然科学
 飛べないのではなく、「飛ばない」のです。地球に住む鳥類たちの中でも、「飛ばない鳥」にスポットをあてたもの。
 「空を飛ばない鳥たち 泳ぐペンギン、走るダチョウ翼のかわりになにが進化したのか?」(誠文堂新光社)。監修上田恵介。
 飛ばない鳥のタイプは、大きく分けて4つ。「地上を走る鳥 走鳥類」(ダチョウとかヒクイドリとか)「水中を飛ぶ鳥 ペンギン類」「飛ぶことをやめた島で暮らす鳥」(ヤンバルクイナやカグー)。それから、人間が改良した「家禽」(ニワトリとかアヒル)ですね。
 そのほかに、ミフウズラやヘビクイワシなどは、飛べるのに、飛ばない。
 飛ばない鳥は、環境に適応したためにその変化によって絶滅しやすいのだそうです。例えば、生息地の破壊。そして、天敵の侵入。
 ジャイアントモア、モーリシャス・ドードー、スティーブンイワサザイが紹介されています。また、今現在絶滅が心配されているダチョウやフクロウオウム。
 乱獲、森林伐採、環境汚染、外来種の持ち込み。絶滅につながる人間の活動に、歯止めが必要ですよね。

「消えゆく野生動物たち」子供の科学編集部

2015-05-18 16:01:34 | 自然科学
 週末、東京に行ってきました。
 浅草は三社祭ですごく混んでいましたね。雷門提灯が半分閉じている珍しい光景も目にしましたよ。
 本当は「鳥獣戯画展」が開催されている国立博物館に心惹かれていたのですが、科学博物館に行きました。地球館が改装中で、展示は半分くらいでしたが、じっくりいろいろ見られて楽しいですね。

 しかし、こうやって理科的分野を見ていると、自分の興味範囲がすごく狭いことがよくわかります。わたしは生物分野にしか足が向かない! しかも、絶滅危機動物ばかり。
 種ということについて考えさせられます。狼とかパンダの映像、イリオモテヤマネコの剥製、外来種に脅かされる生態系。
 展示を見てまわるうちに、またこの先も、絶滅に至る動物たちが顕著になるのかな、と思いました。身近にいたはずだったのに、いつの間にか姿を消してしまうような。それは、つらいことです。

「消えゆく野生動物たち そのくらしと絶滅の理由がわかる絶滅危惧種図鑑」(誠文堂新光社)。子供の科学サイエンスブックの一冊です。
 なぜ絶滅の危機にさらされているのかが、5つのパートで紹介されます。
「生息地が失われる」「乱獲される動物たち」「汚染される環境」「外来種との戦い」「地球温暖化の脅威」。
 現在数が少ない動物の説明もあり、わかりやすいと思います。
 イシカワガエルと呼ばれるカエルが、最近になって沖縄島と奄美大島では遺伝子的に違うことが判明したというのが興味深いです。
 
 あ、ちなみに別冊ニュートンの生物多様性特集も買いました。どちらも写真がふんだんに入っていて高い。(二冊で五千円近い)
 近々「絶滅の意味」について調べ学習をするつもりだからなんですが、来年はもう教科書改定してしまいます。新しい教材には絶滅に関する説明文があるのでしょうか。気になります。

「動物の死はかなしい?」あべ弘士

2015-01-30 05:27:40 | 自然科学
 哲学的な本だと思っていました。
 いや、哲学的ではありますよ。でも、もっと自然科学的です。
 あべ弘士さんは独特の絵で人気の絵本作家さん。「あらしのよるに」などが有名ですよね。(映画化でやたらとかわいいキャラクターデザインになったのはショックでしたよ)
 「動物の死はかなしい? 元動物園飼育係が伝える命のはなし」(河出書房新社)。「14歳の世渡り術」のシリーズです。
 わたしはあべさんの文章は初めてですが、本文にも登場する小菅さんの本はちょこちょこ読んでいたので、旭山動物園の様子に親近感がありました。
 
 あべさんが飼育係になったとき、初めからスキルがあったわけではないんです。それまで動物関係の仕事をしていたこともない。親戚の鉄工所で働いていたそうです。
 なんていうか、自分の人生を振り返るあべさんの文章はすごくスピーディーで、どの時期でもいつも楽しそうなんです。
 つらいことだってあったでしょうに、リズミカルでいきいきしている。
 動物園というのは、当たり前ですが死と隣り合わせ。あべさんは死んだ動物を解剖することもあったそうです。死に至る要因を探るためには大切なこと。
 飼育係の仕事がうまくいかずに死を迎えてしまう動物もいるそうです。
 人気のある動物が死んだときには、新聞にも記事が載る。
 動物園、割とあちこち行ったり、本を読んだりしているのですが、目にするのは健康な動物ですからね。あまり死を意識したことはなかったように思います。
 歯医者で読み始めたら、あっという間に読んでしまいました。旭山動物園、行ってみたーい!

「たくましい脳に育てる毎日の習慣」川島隆太

2014-12-27 13:12:28 | 自然科学
 今年はあれこれと慌ただしくて、読んだまま感想を書かずにいた本がたくさんあります。書いたかどうかも覚えていないものも……。
 川島隆太「親子で『脳トレ』 たくましい脳に育てる毎日の習慣」(静山社)もその一冊です。
 川島先生の文章が中学一年生の教科書に取り上げられているので、そのときに読みました。昨年も同じように探したんだけど、こういうコンパクトな本は出ていませんでした。(今年の2月に出版されたようです)
 研究の最前線なのでしょう。
 とにかく脳を働かせるには、繰り返し勉強することが肝心! それによって、脳の中には学習の筋道ができる。それを高速道路のようになるまで鍛えることが大切なのだそうです。
 若いうちに脳を鍛えていく必要性を感じました。
 「学問に王道なし」って、そういうことなのかもしれませんね。近道をしようとするよりも、自分で着実に努力することが学習習慣と実績を作るのです。
 もちろん、川島先生か提唱してきた脳トレも詳しく書いてあります。クレペリン検査とか、間違いの仕方を教えてあげる実験についてなども。
 授業でこういうあたりを紹介するのが好きなんですよ。どう展開しようかと考えているとき、わたしの脳も活性化しているのでしょうか?

「ドードーを知っていますか」ピーター・メイル

2014-09-01 08:37:03 | 自然科学
 ベネッセ、この本、再販してくれないかなあ。今のわたしには持っていたいジャンルなんだけど。
 ピーター・メイル、ポール・ライス 文/訳 斉藤健一。絵はショーン・ライス。「ドードーを知っていますか」。
 失われた動物たちの姿が、独創的な絵とともに、紹介されています。
 取り上げられているのは、ドードー、ミイロコンゴウ、クアッガ、オオウミガラス、バライロガモ、ハワイオーオー、スカラーカイギュウとメガネウ、ブローボック、クリスマスジネズミ、リョコウバト、オーロックス、ホオダレムクドリ、グアダルーペカラカラとアカハシボソキツツキ、フクロオオカミ。
 印象に残るのは、ハワイオーオーの羽根を使ったケープが大流行して、かの鳥の絶滅を招いたというところ。現存するケープには、かなり高い価値がついているそうです。
 ミイロコンゴウは、決しておいしい肉ではないのに絶滅したというのも、結構ショックですよね。これまでも、人間の濫獲によって絶滅した動物たちの話を読んではきたのですが、なんというか……生活に必要とはいえないことでも、レジャーや虚栄心のために殺戮したり濫獲したりするのは、どうなのかと。無尽蔵にあるわけではないことには、思いいたらなかったのでしょうか。
 オスとメスの嘴の形が異なっていて、つがいで虫をとるホオダレムクドリ。動物園で飼われていた最後の一匹が死んでから四年後に、やっと政府による保護が決まったフクロオオカミ。
 それから、アメリカの空を埋め尽くすほどいるといわれながら、絶滅したリョコウバト。マーサと呼ばれた最後のハトが死んだのは、1914年の今日、9月1日だそうです。

「ホタルの光は、なぞだらけ」大場裕一

2014-08-31 04:54:39 | 自然科学
 同僚のA先生が、息子さんから読書感想文の相談を受けたそうです。
 本は、今年の課題図書、「ホタルの光は、なぞだらけ ー光る生き物をめぐる身近な大冒険」(くもん出版)。
 六時間ほど作文に付き合い……、そして思ったことは。
「どうして、これが課題図書? 科学の解説みたいな本に、どういう感想文を書けばいいの?」
 息子さんには、驚いたこととか新しく知ったことをまずまとめるように言ったけれど……、と困惑していました。
 ここ数年、中学校の課題図書は、日本文学、翻訳文学、自然科学系の三冊になることが、確かに多い。
 A先生は東野圭吾とか伊坂幸太郎が好きなので、こういうのは読まないでしょう。
 読書というのは、自分の守備範囲でないものには手を出さないもの。小説も科学分野も、という人は多くないかもしれません。
 さて、この本。筆者は名古屋大学大学院生命農学研究科の先生です。
 光るミミズの発見から語り起こし、発光生物のあれこれから科学とはどういうものか、ということについて語られています。
 わたしが感じたのは、まず、常識を疑えどういうこと。
 希少だと思われていた光るミミズは、実は意外にありふれていた。発見とは丹念に観察したり調べたりすることによってもたらされるものかもしれませんね。
 なぞを解き明かしていくためにどういう方法をとるのか。そういうところも、大場先生の情熱が感じられてわくわくしました。

「サクラ」キム・ファン

2014-02-27 20:59:12 | 自然科学
 この棚は何度も見たんだけどなあ。
 これまであまり関心がなかったんでしょうね。「サクラ 日本から韓国へ渡ったゾウたちの物語」(学研)。このタイトルだけでは素通りしてしまいました。わたしの守備範囲は絶滅危惧種でしたから……。
 でも、先日、どうして「サクラ」というゾウが韓国の動物園に譲られることが不安なのかを、戦争と平和のブックガイド「きみには関係ないことか」に教えられて、にわかに読みたくてたまらなくなったのです。
 キムさんは在日韓国人。ある日、新聞で、宝塚ファミリーランドが閉園するため、ゾウがソウル大公園に譲られることを知ります。
 でも、「サクラ」は韓国では戦時下の日本や軍国をイメージすることが多く、果たしてこの名前で受け入れてもらえるのか。
 キムさんは「統一トラ」の取材でこの動物園を訪れることになり、忙しいなかゾウの展示場所に向かいますが、悲しいかな、どのゾウがサクラなのかわからない。
 日本に戻ってからも、サクラのことが気になって、ネット検索をするのですが、どうも飼育員さん(韓国初の女性飼育員さんだそうです)にケガをさせたらしく……。
 あ、ちなみに「統一トラ」とは北朝鮮から来たトラと、この動物園にいたトラがつがいになって誕生した二世です。
 キムさんは、これまで日本から韓国に渡ったゾウのことを調べます。はじめのゾウは「八万大蔵経」のお礼として足利家から贈られたもの。あまりにも餌代がかかるので島流しになったとか。
 続いては、統治下に日本の動物園から移したのだろうというゾウで、他の地域の猛獣たち同様、餓死させられたのではないかと推測。
 これまで韓国に渡ったゾウは、あまり幸せな生涯とは言えなかったのだと、キムさんは衝撃を受けました。 
 でも、サクラは動物園で愛されていました。なんと、人気者ランキングでも三位。名前もそのままです。
 戦争の爪痕は時間を経てもなかなか癒やされるものではないと感じました。それでも、相互の立場を理解しようとする人々の優しさ。
 わたしたちも、韓国が背負わされたものを知ろうとすることが必要なのではないでしょうか。
 サクラを担当していた飼育員の江草さんが、会いたいけれど、自分が訪れることで混乱が生じることは避けたいと語るところも頷いてしまいます。