この間ムロアジやマルアジと一緒に我が家にやってきたのがこの魚。キンメダイ目・キンメダイ科・キンメダマシ属のキンメダマシ。
キンメダマシはほかのキンメダイ科魚類同様深海性で水深100~300mほどの場所を遊泳しているというが、まれにダイバーにより、より浅い場所でも撮影されている。「魚類写真資料データベース」でキンメダマシの水中写真が八丈島のナズマドで撮られている。しかし浅いとはいっても水深60mというから、やはりダイバーにはなかなか手が届かないのかもしれない。深く潜るのは様々な危険も伴うものだし。結局、釣りなどの漁業によって漁獲されたものを魚市場であるとか、魚屋さんであるとか、あるいは食卓で眺めるのが一番安心安全といえるだろう。食卓で眺めるなら減圧のことを考える必要もない。しかし食卓だとその魚の生態などはわからない。
キンメダマシの背鰭
キンメダマシの特徴は背鰭棘にある。キンメダイやナンヨウキンメ、フウセンキンメといった種は背鰭棘数が4であるのに対し、このキンメダマシは5~7とキンメダイ属よりも多い。背鰭最初の棘がうまくたてられていないのは申し訳ないところ。またキンメダイ属では涙骨に強い棘があるのに対し、キンメダマシでは涙骨の強い棘を欠く。体色は先述のナズマドで撮影されたものは濃い赤色であったが、今回のキンメダマシは赤というよりは黄金色に近く、キラキラと光り輝いていたのだった。
キンメダマシを食するのは実は今回が初めてではない。2012年に一度、やはり長崎県で漁獲されたキンメダマシを食している。ただしキンメダマシを食したのはこの2回だけである。見たり標本にしたものを含めばほかにも宮崎県産の個体を標本にしたりしたことはある。しかしそれくらいであり、キンメダマシはキンメダイと比べると珍しい魚といえるだろう。分布域は八丈島、小笠原諸島、琉球列島のほか、神奈川県三崎、三重県和具、土佐湾でも得られている。今回は長崎魚市場から来たが、九州南方で漁獲されたものかもしれない。
前回は寿司にして食べたのだが、今回は身は皮目をあぶって刺身にする。そうすると最高に美味しい。ほか塩焼きや煮つけなどのように、キンメダイと同じ食べ方で美味しいだろう。長崎 マルホウ水産 石田拓治さん、いつもありがとうございます。しかしながら今回このキンメダマシも実は主役ではない。あくまでも名脇役といったところかもしれない。つまり、それほどすさまじい魚が長崎から我が家にやってきたということになる。それについてはまた近いうちにご紹介。Chu 美味しくてごめん、 じらしまくっててごめん。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます