魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

アンコウゲスト他

2014年10月26日 21時12分13秒 | 魚紹介

前回同様、アンコウの胃や口の中から登場したゲストの魚たちのご紹介。今回が最後になります。

まずはタマガンゾウビラメ。ヒラメ科の仲間は鱗が細かく、胃内容物や口腔内から出てきたものでも、底曳網で漁獲されたものと同じように、鱗がはがれていたりします。この種は鰓耙の形状や臀鰭軟条数、あるいは背鰭の軟条の形などでほかの日本産ヒラメ科魚類と区別することができます。タマガンゾウビラメ、といえば有眼側に5個ほどの目玉模様があるのも特徴なのですが、この個体では消えてしまっています。写真の個体は体長10cmもない幼魚で、成魚は20cmくらいになります。

オニゴチはコチ科アネサゴチ属の魚です。アネサゴチ属の魚は日本には3種類が分布し、このオニゴチはその中では最もよく目にするものといえるでしょうか。アネサゴチも大陸棚砂泥底に生息するようですが、アネサゴチのほうがやや深い場所(水深150mまで)に生息しているようです。写真からもお分かりのように頭部がかなり大きく眼も大きくかわいい魚です。

オニカナガシラはホウボウ科カナガシラ属の魚です。カナガシラ属は日本に11種が分布していますが、私が見たのはイゴダカホデリ、トゲカナガシラ、カナド、カナガシラ、そして本種の計5種のみ。オニカナガシラを見たのはこれが2回目で、最初に見たときもやはりアンコウの胃の中から出てきたのを見たのでした。

オニカナガシラの胸鰭の内側。黒色域がありその中に青白い斑点があるのはカナドに似ていますが、胸鰭縁辺の色彩はやや異なっています。カナドは鰭の縁辺に赤みがありますが、本種では青っぽい色になります。

こちらがカナド。これは八幡浜の沖底(海幸丸)で漁獲されたものです。オニカナガシラとはよく似ているものの背鰭第2棘が長く伸びるのが特徴的です。カナドについては以前別の記事でも書きました。分布域はオニカナガシラよりもカナドのほうが広く青森県から九州まで。オニカナガシラは新潟県および千葉県銚子沖から九州南部にまで生息しています。

最後にアンコウの胃の中から出てきたわけではないのですが、ウシノシタ科のイヌノシタ。これは発泡スチロール単位で販売されている魚市場、とある発泡スチロールの中にこの魚がほかの魚と一緒に入っていました。私が「この発泡の中のシタビラメも買いたいのですがよいでしょうか、できればこのシタビラメだけ買いたいのですが...」と質問しますと優しい市場の方は丁寧に対応していただいたのでした。西日本の太平洋側や瀬戸内海側では比較的よく見られる種類ですが、アカシタビラメと混同されていることも多いようです。このイヌノシタもアンコウと一緒に唐揚げにして食べましたがとても美味しいものでした。もちろん焼き物やムニエル、バター焼きでも美味しいでしょう。


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