魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

チカメキントキ

2023年07月04日 14時34分19秒 | 魚紹介

今回で愛知の魚のご紹介はお終い。今日はキントキダイ科・チカメキントキ属のチカメキントキ。

チカメキントキのこのぶろぐへの登場は、2012年8月以来ということでおよそ11年ぶりの登場ということになる。キントキダイ科の魚は本種のみが含まれるチカメキントキ属のほか、クルマダイ属、キントキダイ属、ゴマヒレキントキ属の4属からなる。チカメキントキ属は原生種は先述のように1属1種であるが、世界中の暖かい海に広く分布している。以前同様に「1属1種であるが世界的に広く分布している」とされたゴマヒレキントキ属は3種に整理され、日本に分布するゴマヒレキントキ属の種はHeteropriacanthus carolinus (Cuvier, 1829)ということになった。一方チカメキントキはいまだに1種が世界的に分布しているとされているが、おそらく別種かもしれない。なおこの場合、日本のものが海外(ブラジルなど)のものと別種となっても、学名の変更はないはず。

チカメキントキをはじめとするキントキダイの中で本種は寸つまりな体、腹鰭の大きさなどからかなり特異な種のように感じられる。ほかのキントキダイは腹鰭がやや小さく、体が細長い。生息地もチカメキントキはやや深い海、幼魚はたまに浅瀬にも出現するのに対し、ほかのキントキダイ科魚類のうちキントキダイ属やゴマヒレキントキ属は浅いサンゴ礁域ややや深い砂地に多く生息している(もっとも、ウスベニキントキのような深海性種もいるが)。生態的にもクルマダイのグループに近縁なのかもしれない。

チカメキントキは煮物、焼き物、ほか様々な料理に使うことができる。しかし個人的に一番美味しいと思うのはやはりお刺身であろうか。ほどよく脂がのった大変美味しい魚であった。今回はキビレミシマやナガタチカマスなどと同様に愛知県 項明水産 鈴木項太さんより。ありがとうございました。次は長崎からやってきたMy新種(まだ私が写真を撮影していなかった種という意味)についてご紹介したいと思う。


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