魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

オウゴンムラソイ

2023年01月23日 19時38分10秒 | 魚紹介

最近Facebookのコミュニティを見ていたら疑問が。オウゴンムラソイという魚の写真に「この魚はなんですか」と質問した人がいたが、ある人はオウゴンムラソイに「カサゴです」と返答されていたということがあった。オウゴンムラソイに、カサゴには出てこないような斑紋があると説明したが、実はオウゴンムラソイ、あるいはムラソイはよくカサゴの仲間と間違えられることがある。

従来はSebastes pachycephalusという学名を持つ種は基亜種を含めて4つの亜種に分けられていた。ムラソイ、オウゴンムラソイ、アカブチムラソイ、ホシナシムラソイの4種。これらは現在ふたつの種に集約された。Sebastes pachycephalusがムラソイ、S.nudusがオウゴンムラソイである。nudusとは裸(Nomen nudumで裸名)を意味すると思われるが、オウゴンムラソイでは背鰭棘基部付近に細かい鱗がない場所があり、背鰭基部付近に微小鱗が密にあるムラソイと区別することができる(上の写真参照、ただしわかりにくい)というので、ソコからきているのではなかろうか、と思う。オウゴンムラソイは生鮮時体に不規則的なレンガ色斑があるか、黄色斑と暗色斑がまじりあった模様になる。

近年はメバルの仲間で分類の再検討が行われていて、従来の「メバル」がアカメバル、シロメバル、クロメバルの3種に分けられるなどしたが、これはかなり見分けが難しい。ウケグチメバルは2タイプいるとされたが、そのうちひとつはカタボシアカメバルとして新種記載された。逆に減るものもおり、キツネメバルに近縁のコウライキツネメバルも消えたと記憶している。メバル類の中では深海性のメヌケ類のほか、ゴマソイ、ヤナギメバル、ガヤモドキ、アカガヤ、アラスカクロメヌケの5種はまだ見たことがない。ぜひとも拝みたいものである。

カサゴ

ムラソイの類はカサゴとよく間違えられるが、カサゴは概ね体側中央や背鰭基部下方あたりに白い斑点が多数みられる。ムラソイの類ではこんな模様は見たことがない。ムラソイ限定であるが、腹部や胸部などに黒い斑点があるのも特徴的である。またカサゴでは胸鰭上方が若干湾入するか、直線的であるのに対し、ムラソイでは丸みを帯びていることが多い。ただこの特徴は若干難しいかもしれない。背鰭棘数はカサゴでは普通12だが、ムラソイでは普通13であり、その点でも見分けられるようだが、難しいかもしれない。ただ、カサゴとの見分けは体側の斑紋で見分けられることが多いので、慣れればどうということもない。オウゴンムラソイは北海道~九州北部・相模湾、大阪湾、瀬戸内海に分布しているが、カサゴのほうが黒潮当たる暖かい海に多い印象がある。

さて、ここまでムラソイ&オウゴンムラソイについてアツく語ってきたが、ムラソイの写真が1枚もないのはどうなんだ、とお叱りを受けそうだ。ムラソイは過去1回しか写真記録を残していないのがその理由であるが、ムラソイについてはまた別に詳しくご紹介したいと思っている。しかしこのぶろぐ、長いことやってきている割にはメバル属の魚の話をあまりしてきていなかったようにも思った。しばらくメバル属強化月間としたいが、いつまで続くやら。


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