この魚はヨロイメバル。スズキ目メバル科・メバル属の魚であるが、見た目は茶褐色でカサゴのようにも見える。実際にムラソイ同様、カサゴに間違えられやすいが、頭部の棘はカサゴほど顕著ではないし、ムラソイ同様に体側の色彩でも見分けることができる。ヨロイメバルは青森県以南の太平洋岸、青森県から九州までの日本海岸と東シナ海岸、瀬戸内海に分布する。海外では朝鮮半島や中国沿岸。この個体は瀬戸内海産の個体で、北村太一さんに送っていただいたもの。いつもありがとうございます。
ヨロイメバルとカサゴの見分け方としては、先述の体側の模様のほか、背鰭でも見分けることができる。カサゴ属の魚は11~13棘で大体12棘なのだが、ヨロイメバルでは背鰭は14棘であるので見分けることができる。またムラソイとも背鰭の棘の数が多いことで見分けられる。ムラソイ(オウゴンムラソイも)は大体13棘である。
ヨロイメバルは先述の通り広域に生息する。この個体は青森県で獲れたもので、先述したオウゴンムラソイと同じ箱の中に入っていたものである。浅い岩礁域や藻場に生息し釣りで漁獲されている。ただしほかのメバル属と比べると数は少ないようだ。ちなみにトップ画像のヨロイメバルは兵庫県の瀬戸内海側で漁獲されたものであるが、瀬戸内海においては本種のほか、コウライヨロイメバルという種もいる。コウライヨロイメバルはヨロイメバルと似ているが尾鰭に幅広い横帯があるので見分けられる。瀬戸内海のほか日本海西部、九州北部、海外では朝鮮半島やその近辺の島嶼、中国沿岸に分布している。こちらはまだ見ておらず、食べたこともない。ヨロイメバルは煮つけや揚げ物などで美味しい。
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