この間は実に珍しいカレイが6年ぶりくらいにやってきたのでご紹介。カレイ目・カレイ科・スナガレイ属のコガネガレイ。
コガネガレイは従来はツノガレイ属とされたが、今は別のスナガレイ属とされていることが多いように思われる。スナガレイ属にはスナガレイ・ハナガレイ・コガネガレイ・カラフトガレイの4種が日本近海に産しているが、マガレイは含まれない。マガレイはおそらくスナガレイと近いようにも思うのだが。ちなみに私が見たのはコガネガレイとスナガレイのみで、ハナガレイとカラフトガレイは見たことがない。カラフトガレイはその名の通りサハリン沖の底曳網により多く漁獲され、日本では北海道のオホーツク海のみ、ハナガレイも網走・紋別などオホーツク海の一部海域でしか見られないようである。
コガネガレイの体の縁辺
コガネガレイはスナガレイ属の中でも頭部の形状などからカラフトガレイに近い。しかし本種はカラフトガレイとことなり体の縁辺が黒く縁どられるのが特徴である。一方、「日本産魚類検索第三版」ではカラフトガレイの体長は体高の2.4-2.9倍、コガネガレイの体長は体高の1.8-1.9倍であることが種の特徴としてしめされているが、書籍「日本産ヒラメ・カレイ類」ではしめされていない。ただコガネガレイのほうがやや高いようで1.9-2.2倍とされる。
ただし、「日本産ヒラメ・カレイ類」によると、無眼側に黄色の斑紋があるとされているが、この個体には見られない。以前2016年に我が家にきたコガネガレイは無眼側に黄色の斑点があった。もっとも、変異がある程度存在すると思われる。それ以外はコガネガレイの特徴に当てはまる。背鰭・腹鰭の無眼側が黄色い。
コガネガレイの分布域は北海道の各地沿岸、オホーツク海、ベーリング海を経て北米西海岸にまで及ぶ。底曳網や刺し網などで漁獲されカレイの仲間でも美味しいものである。前回、2016年の暮れに来たときはコガネガレイは唐揚げで食した。今回は刺身で食べてみる。しかし、これが非常に美味しい。かなり身が甘い。このコガネガレイも有限会社丸の野水産 野圭司さんより。ありがとうございます。