魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

タツノオトシゴ

2022年12月25日 22時10分14秒 | 魚紹介

今回も記事のネタがないので、昔の写真を。ヨウジウオ科・タツノオトシゴ亜科・タツノオトシゴ属のタツノオトシゴ。

ヨウジウオ科は大きく分けてヨウジウオ亜科とタツノオトシゴ亜科に分けられる。タツノオトシゴ属はもちろん後者である。この亜科は尾鰭がなく、尾部が物に巻きつくことができるようになっている。ほかにこの亜科にはスミツキヨウジやトゲヨウジなどの種もいるが、やはり尾は海底の岩やサンゴなどに巻きつくことができるようになっている。

タツノオトシゴの後頭部には大きなトサカのような突起がある。これを頂冠というのだが、本種はその頂冠が目立ち大きく、頂冠が後方に屈曲するのが特徴。なお、タツノオトシゴによく似たものにヒメタツというのがいる。これはタツノオトシゴよりも頭部にある頂冠が若干小さいらしいが、あまり詳しくは追えていない。近年に報告されたもので、従来はタツノオトシゴと同種とされていたよう。体は骨板からできた体輪と呼ばれるものに覆われていて、イバラタツなど、種類によっては体輪部に鋭く長い棘を持つような種もいる。ただし水中写真からの同定が難しい種も多い。

タツノオトシゴの尾部。尾部は先述のように尾鰭がなく、自由に物に巻きつくことができる。本州~九州の浅場にはサンゴタツと呼ばれる種もいるのだが、サンゴタツは尾部が著しく細長いためタツノオトシゴとの見分けは難しくない。食用にはならないが漢方薬の原料などとしての需要があるようで、ワシントン条約の付属書Ⅱにより、国際的な取引には制限がある。そのため現在はブリードも盛んにおこなわれており、国内でも複数種において繁殖の成功例があり、個人のアクアリストが繁殖に成功した例もある。なお、野生個体はなかなか冷凍餌に餌付かない傾向があるようで、生き餌に頼るしかなく、混泳魚の制限もあり(スズメダイやクマノミなどとの混泳は避けるべき)、あまり飼育しやすい魚ではない。なお本種は磯採集オフ会の際に同行者に写真を撮らせてもらったもので、私が採集したものではない。

コメント
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