魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

キララギンメ

2022年12月17日 23時25分21秒 | 魚紹介

このぶろぐではギンメダイ科の魚をこれまで紹介していなかったので、今回が初めての登場となる。ギンメダイ目・ギンメダイ科・ギンメダイ属のキララギンメ。

ギンメダイ目はギンメダイ科のみからなり、ギンメダイ科もギンメダイ属のみからなる。NelsonのFishes of the worldの2016年版において、分類学的には側棘鰭上目とされているが、その内容は私たちが親しんできたそれとは大きくことなっている。従来この中にはタラ目・アシロ目・ガマアンコウ目・アンコウ目が含まれたが、後2者は全く別物、アシロ目もスズキ上目の中に入っており、ギンメダイ目、サケスズキ目、マトウダイ目、タラ目、そしてスタイレフォルス目の5目からなるとされる。ただし個人的にはマトウダイ目はスズキ上目の中のフグ目と関係があるものと考えている。

さて、大きく話がそれてしまったが、キララギンメ。ギンメダイ属の魚は日本からは4種が知られている。このキララギンメは南日本の太平洋側の深海に生息している。ほか日本にはギンメダイやオカムラギンメ、アラメギンメという種が知られる。アラメギンメは頭部の形状が本種と大きく異なる。アラメギンメは吻端がかなり突き出すのである。それにくらべて本種は吻がやや丸みを帯びている。そのためギンメダイに近いようである。

一方こちらは鱗、ギンメダイであれば側線上方横列鱗数は13~16,キララギンメでは9~11である。写真の個体はキララギンメの範疇のように見えるが、正確に同定するのであれば写真に頼るのではなく、しっかりと現物をもとに数える必要がある。とくに小鱗も一つと数えるのだが、それが判別しにくいこともある。ただしギンメダイ、とくにギンメダイとキララギンメの2種の同定は時に困難である。それもこのぶろぐでしっかり紹介できていなかった原因かもしれない。

今回のキララギンメは鹿児島県産、「田中水産」社長 田中積さんより。ありがとうございます。

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