魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

シチロウウオ

2016年06月28日 19時23分09秒 | 魚紹介


先週土曜日にスマと一緒に京都中央卸売市場仲卸「シーフーズ大谷」さんより珍しい魚が届きました。トクビレ科のシチロウウオという魚です。こんな魚が…

8匹も届きました!

シチロウウオはトクビレ科の魚であるが、見た目はトクビレと大きく異なる。以前ご紹介したサブロウによく似ている種。しかしながら頭部の形状が大きく異なる。シチロウウオでは吻がやや細長く、サブロウではやや短いという違いがある。シチロウウオ属は1属1種のようであるが、同じく1属1種のオニシャチウオ属にも近いようである。

オニシャチウオとの違いは第1背鰭や臀鰭の基底が短く、背鰭棘数、臀鰭軟条数がそれぞれ7~9、12~15であること、オニシャチウオでは第1背鰭や臀鰭基底が長く背鰭棘数、臀鰭軟条数がそれぞれ17~21、23~27と多い。また脊椎骨数などでも差が見られるようである。

シチロウウオを背面からみると、吻が長くサブロウなどとはかなり違う雰囲気。トゲウオ目の魚などにもなんとなく似ているがシチロウウオはスズキ目・カジカ亜目・トクビレ科の魚である。


頭部側面。胸鰭には小さな斑紋があるがこれは同定の材料にはならないようである。

分布域は相模湾・新潟県から北海道。千島列島にもいる。国外ではロシア東部~朝鮮半島東部。浅海の砂底や藻場に生息していて、たまに底曳網などで漁獲される。

体が武装されているように見えるシチロウウオであるが、実際にはその鎧は案外やわらかいものでキッチン用のハサミでさばくのが早い。ほかの魚のように鱗が飛ぶことがないのもよい。しかし案外食べるところは少ないようである。

シチロウウオのお刺身。こりこりしていて美味である。シソの上に乗っているのが卵巣、今回入手した個体はすべて雌であった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする