魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

タカサゴスズメダイ

2016年06月14日 19時16分25秒 | 魚紹介


今年は年のはじめに書きましたように、以前に採集したり、釣ったりした魚もご紹介できたらなと思います。

写真のスズメダイはタカサゴスズメダイという種。スズキ目・スズメダイ科・スズメダイ属の魚で、以前にも紹介したスズメダイと同じ仲間である。このスズメダイ属はスズメダイ科としては最大のグループで100種あまりが知られている。日本産は少なくとも32種が知られているが、まだ写真だけ撮影されていて論文としてでていないものもあり、種類はもう少し増えるのではないかと思われる。特に最近は水深100mほどの場所で魚を探すのが盛んであり、種類はまだ増えるのではないだろうか。

タカサゴスズメダイは日本では伊豆諸島、相模湾以南太平洋岸に分布するが基本的には熱帯性のスズメダイであり、沖縄や小笠原諸島に多い。この個体は高知県で小物釣りをしていたときに釣れたもの。2007年には2匹釣れたが2008年は1匹しかつれず、それ以降は一度も見ていない。

色彩は茶褐色で少し見ただけでは地味ではあるが、よく見ると体が緑色に輝き美しい種類。大きい個体では鰓蓋に黒い横帯が入り、尾鰭後端に黒点が入る。体高がスズメダイに比べ低い、などの点でほかのスズメダイの仲間と区別されるがあまり気にされていないようだ。

タカサゴスズメダイ尾鰭

モンスズメダイとは体が低めな点でよく似ているが、尾鰭後端が黒くないので区別は容易である。一方タソガレスズメダイという種は尾鰭が上・下両葉外縁が黒くなること、胸鰭の付け根付近が黄色っぽくなることから区別されるものの、この種は日本では久米島から知られるのみで、やや珍しい種とされる。

2008年に採集した個体を飼育していたが写真は1枚、しかもバケツにいる個体の写真しかない。残念ながら水槽内ではあまり長生きしなかった。オヤビッチャなどと一緒に飼育していたせいかもしれない。この属にはクロオビスズメダイやヒメスズメダイなど温和で臆病な種類もいるのである。沖縄では食用になっており、市場にも出ることがある。5月の喜界島ではキホシスズメダイがパックに売られて売っていたし、奄美では大きなアマミスズメダイが販売されていた。スズメダイといい、九州ではスズメダイ属の魚は人気の食用魚たちだ。

 

 

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