この間の三重採集では、テンジクスズメダイAbudefduf bengalensis (Bloch)も採集できました。
テンジクスズメダイはとてもすばしっこく、水槽内ではなかなかまともな写真が撮影できません。他の魚でいえば、アブラヤッコ属の小型ヤッコ (キンチャクダイ科) のような動きをします。これを採集したときは、ロクセンスズメダイの幼魚の群れに、1匹だけ混じっていました。
餌の藻類をつついて食べたり、岩孔の中から出てきたり、とても面白い泳ぎ方をするスズメダイです。藻類をつつくのですが、あまり積極的にこけ取りをしてくれるわけではありません。むしろ人工の配合飼料のほうをよく食べています。テンジクスズメダイはオヤビッチャ属の魚です。英名はベンガルサージャント。学名も英名も「ベンガル」ですが、これは本種の模式標本の産地がベンガル湾であることにちなむようです。