フィリピン魚も今回で記念すべき80回目。
今回の魚は、チョウチョウウオ科のヤスジチョウチョウウオChaetodon octofasciatus Bloch です。
ヤスジチョウチョウウオには、頭部から尾鰭の基部にかけて、8本の縦帯があります。これが標準和名や学名、英名Eightband butterflyfishの由来でしょう。
分布域は西部太平洋で、日本ではまれにしか見られません。奄美や沖縄でも少ないですが、宮崎市内でも発見し、写真が撮影されています。
●体の色彩
日本やフィリピンで見つかっているものは全身が白い、というよりもクリーム色ですが、パラオ、インドネシアなどで見つかっているヤスジチョウチョウウオは鮮やかな黄色をしています。これらについては同種なのか、それとも別種なのか。Fishbaseでは、インドネシア産の黄色い個体の写真が掲載されています。成魚・幼魚で体の色の違いはないようです。黄色いのは幼魚も黄色、白いのは幼魚も白いようです。模様も同じでまるで成魚をそのまま小さくしたよう。もっとも、本種は小型種で最大全長も12cmとまりとあります。
▲ヤスジチョウチョウウオの幼魚。斑紋も成魚と同じ。体側の上方には黒いしみのようなのがあるが、これはほかの標本写真にもある。模様なのか??
飼育については、あまりお勧めしません。ポリプ食のチョウチョウウオで、長期の飼育が困難という話もあります。もっともハナグロチョウチョウウオやオウギチョウチョウウオ、ハクテンカタギも最近餌を食べる個体が輸入されているそうですが・・・。