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魚のぶろぐ

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ニザダイ

2024年01月13日 18時53分34秒 | 水中写真

ニザダイ科・ニザダイ属のニザダイ。尾柄部に数個の骨質板があり、本種と容易に同定することができる。ニザダイ科の魚はこのポイントでは種類が豊富であるが、多いのはナガニザやサザナミハギ、シマハギ、クロハギ、ニセカンランハギなどであり、この「ニザダイのなかのニザダイ」である本種はこの場所ではほとんど見たことがない。沖合に浮かんでいる島や根などの場所ではそこそこ見られるのではないかと思う。

ニザダイは成魚では50cmほどになる大型種。そのため食用としても漁獲され、実際に宿毛市の漁港ではほかの魚、例えばカワハギやらイットウダイ科の魚やらと一緒に水揚げされていたところを見たことがある。しかしながら釣りにおいては「磯臭い」として嫌われることがある。本種は海藻や藻類、甲殻類などを食する雑食性の魚で、夏は臭みがあるという。しかししっかり処理すれば美味しくいただける魚である。生息地では小さな群れをつくっているというが、この個体はずっと単独で胸鰭を羽ばたかせながら泳ぎ、ほかの魚の群れには入ろうとはしなかった。

ニザダイ科の魚は日本においても40種以上が知られているが、このニザダイ属の魚は日本にはこの種のみ。海外ではインドネシア、オーストラリアやニュージーランドおよびその周辺海域、アメリカ西岸、西アフリカに合計7種が知られている。

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ミツボシクロスズメダイ

2024年01月12日 20時00分58秒 | 水中写真

きのうのチョウチョウウオとは近隣だがまた別のポイント。このポイントは大型イソギンチャク(サンゴイソギンチャクだろうか、ただ種類は不明)が非常に多いポイントであったのだが、近年は作業船がゴミを散らかすのか、あるいはダイバーが乱獲していくのかしらないが近年は減少し大きさも縮小。ということでこの場所にすむクマノミたちは将来頭を悩ませることになるだろう。さて、写真の魚はミツボシクロスズメダイ。ミツボシクロスズメダイはイソギンチャクと戯れることがあるが、クマノミほど仲良いわけではないよう。戯れるのは幼魚のうちだけであることも多く、成魚はイソギンチャクがなさそうな場所を泳ぐことも多い。上の写真ではわかりにくいが、イソギンチャクの中にいる黒い魚がそれである。

成魚では白い点は小さく薄くなり、全身が暗色になる。このポイントでは全身が黒い魚としてメジナ、クロメジナ、ナガサキスズメダイが見られるが、これらの魚に混ざって釣り餌のオキアミを追いかけていた。全身真っ黒い魚であるが、体高が高いのでほかの魚との見分けは難しくない。

体高が高いミツボシクロスズメダイ。格好いい魚なので水槽に入れてみたいところではあるが、水槽内のほかの魚をつつき殺すこともあり、アクアリウムでの飼育をおすすめしない魚の一つ。ただし水族館では広い水槽であればそれなりの縄張りを保てるため、飼育されていることが多い。以前ミツボシクロスズメダイを塩焼きで食したことがあったが、これはなかなか美味しいものであった。

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チョウチョウウオ

2024年01月11日 19時33分25秒 | 水中写真

今日は仕事がお休みですがすることが多いのでさくっといきます。昨年の10月に高知県で撮影したチョウチョウウオ。チョウチョウウオ属の魚は高知県ではいろいろ見かけるのだが、種類によっては好奇心旺盛で近寄ってくることもあるものの、種の標準和名チョウチョウウオは臆病でなかなか近づいてきてくれない。

もう一匹のチョウチョウウオは近くには寄って来るものの、残念ながらすぐに泳いでいった。チョウチョウウオはこの属の中では臆病で、トゲチョウチョウウオやアケボノチョウチョウウオよりもずっと飼育しにくいとされる。とても臆病で餌もなかなか食べない。夏~秋にこの科の魚としては最もよく見られるものの、飼育は非常に難しく、俗に「マメチョウ」と呼ばれるものを大きな成魚に育てるのは困難といわざるをえない。成魚を採集し根気よく餌付かせれば長期飼育はできなくはないと思われる。

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ニラミギンポ

2023年12月07日 23時17分56秒 | 水中写真

今年の四国遠征では水深3mほどの場所にカメラを仕掛けると、面白いイソギンポ科の魚をカメラにおさめることができた。カエルウオ族・ニラミギンポ属のニラミギンポである。

ニラミギンポは和歌山県、愛媛県、高知県、長崎県、屋久島、韓国済州島、台湾、東・南シナ海に生息するカエルウオの仲間。体は真っ黒で、体側後方から尾鰭付近がオレンジ色になるのが特徴である。普通種とされているが、私はこの場所に2006年から通っているものの、見たのはこれが2回目という珍しい種である。この属は日本には6種がいるのだが、近辺ではニラミギンポ属の魚は本種のみが見られる。底から5cmほど浮いてコミカルな泳ぎ方を披露したが、肉食性の魚が怖いのか、大きなフエダイ類などが近づくと隠れてしまった。

ニラミギンポのように体側が黒とオレンジ色の2色に分けられるものとしては、フタイロカエルウオというのがいる。しかしフタイロカエルウオは背鰭に欠刻があるのに対し、ニラミギンポは背鰭に欠刻がない。また背鰭鰭条数は棘・軟条あわせてフタイロカエルウオで27~29、ニラミギンポでは31~32と多いことで見分けることもできる。またフタイロカエルウオは色彩のバリエーションが多く、グアムなどでは色彩が大きく異なる個体も見られる。分布域は屋久島以南琉球列島で、屋久島では分布域がニラミギンポと重なるよう。四国では見られない。

フタイロカエルウオは観賞魚としてアクアリウムシーンではお馴染みの存在ではあるが、ニラミギンポは過去に「チャーム」などで見ているものの観賞魚としてはめったにお目に罹れない。なおニラミギンポ属はほかにもゴイシギンポやヒトスジギンポ、イシガキカエルウオなど人気がある観賞魚も多いが、いずれの種もこけはほとんど食べてくれない。それどころかハードコーラルを食べてしまうような個体もいるので注意が必要。

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カミナリベラ

2023年11月08日 01時57分06秒 | 水中写真

今日は病院なので軽~く。昨日オニベラを紹介したが、今日もカミナリベラ属で。

こちらはベラ科・カミナリベラ属のカミナリベラ。属標準和名が「カミナリベラ属」となっていることからもわかるようにこの属の元祖的存在。雌は四国の浅い磯ではごくごく普通にみられる魚であるが、雄はなかなか見られない。写真の個体が雄で、派手で格好いいベラである。体側の青い線は尾の付け根から体側中央にまであるがそれより前方には伸びていない。このカミナリベラ属のなかでもカミナリベラを含むStethojulis interruptaのコンプレックスは混乱していた。どうやらS.interruptaS.terinaS.zatimaの3種に分けられるようである。

この3種のうちS.interruptaはバンダを基産地とし、インド洋沿岸とインドネシア・オーストラリアにすみ、西は南アフリカにまでその分布域が広がっている。S.terinaS.interruptaの亜種とされたこともあったが、近年は独立種として扱われる。基産地は日本で日本、台湾、朝鮮、中国に生息し、種標準和名カミナリベラとされるのはこのタイプである。そしてS.zatimaは英語名でFull-ribon wrasseとよばれ、体側の青い線は途切れないのが特徴である。雌は体が白っぽくて頭部や体側前半部に黄色い線が入る。基産地はフィリピンであり、フィリピン、インドネシア、マレーシアの海に生息する。観賞魚としてはまれにフィリピンから入って来るが、飼育はやや難しい。

周りにはソラスズメダイやカゴカキダイなどが群れており、釣り人のオキアミのおこぼれをあさっていた。動物食性が強いらしい。

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