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魚のぶろぐ

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キタマクラ

2024年01月18日 08時13分41秒 | 水中写真

フグ目・フグ科・キタマクラ属のキタマクラ。キタマクラは昨年も紹介したが、昨年紹介したのは薄い白っぽい体に茶色い縦線が入る幼魚であったが、成魚はこのような茶褐色の体で、茶色の縦線は薄くあまり目立たなくなる。体長15cmほどになるというが、この個体は12cmくらいだろうか(まわりのソラスズメダイとの体サイズの比較)。

キタマクラとカワハギ。どちらもフグ目の魚である。遠景ではカワハギによく似ており、実際にSNSなどのコミュニティにおいて、キタマクラについて知らない人が「これはカワハギでしょうか?」と質問することがたまにある。が、釣り人からの評価については180°正反対である。このキタマクラは身は無毒なのだが、皮膚や肝臓、腸などに毒があり食用禁止ふぐとされる。そもそもフグ科の魚の素人料理は危険である。キタマクラは雌や幼魚は地味な色彩ではあるが、雄成魚は派手な色になったりする。

分布域は福島県以南の太平洋岸~琉球列島。国外ではインドー西太平洋に生息する。ハワイ諸島にもいるが、魚類検索第三版では同諸島についての記述はない。ハワイ産の個体は別種とされそうなのか、そもそも「西太平洋」というのが誤記なのか。高知県ではどこの海でもほぼ周年見られ、このポイントでは昼間に防波堤で釣り糸を垂らせば100%姿を見ることができる。九州北部にもいるようだが、残念ながら玄界灘ではその姿を見たことはない。クサフグとコモンフグが多く、トラフグ属以外ではサバフグと、冬季に沿岸の砂浜を埋め尽くすハリセンボンに混ざるホシフグくらいのものであった。

キタマクラの仲間は観賞魚として飼育されることもある。ただしサンゴをかじったりすることもあるので、あまり初心者向けの魚とはいえないところがある。またフグ科・ハコフグ科全般にいえることではあるが、ほかの魚と飼育していると皮膚から毒を出す危険性がある魚については、それに対応できない初心者には飼育はおすすめできない。

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ヒメスズメダイ

2024年01月17日 07時57分54秒 | 水中写真

さて、ソラスズメダイの群れに混ざっていたこの魚はヒメスズメダイという魚である。ソラスズメダイはスズメダイ科・ソラスズメダイ属であるが、ヒメスズメダイはスズメダイ科・ヒメスズメダイ属の魚。従来はスズメダイ属とされていたが、近年ヒメスズメダイ属が復活した。一方ササスズメダイ属はスズメダイ属におくべきと私考えている。もっともクマノミ類をほかのスズメダイと同じ亜科にうつすなどされているので、あまり信憑性はどうかと思うのだが。分子分類中心で得られた系統と思われ、微妙である。

ヒメスズメダイは採集されることはたまにあるが、観賞魚店で販売されることはほとんどない。いくつかの店舗でヒメスズメダイという名前で販売されているのは、別の種で東アフリカ産のブラックテールクロミスであることが多い。インドネシアなどからもラインドクロミスという別種が輸入されているが、これもあくまでラインドクロミスはラインドクロミスであり、ヒメスズメダイとは異なる種である。ヒメスズメダイはオーストラリア~マルケサス諸島にまで分布しているが、輸入されることはほとんどなく、沖縄産がわずかに来るくらい。

本種の特徴は臀鰭が真っ黒で、背鰭にも黒い線があること、写真で識別するのは困難であるが体側に青っぽい点列があることなどである。よく似た種としてはコビトスズメダイという種もいるが、この種は体側に点列がないことなどで見分けられ、同属のヒレグロスズメダイは体高がやや高めで背鰭基底後端に黒色斑があることなどで本種と見分けられる。

この海域ではスズメダイ属やヒメスズメダイ属については種類が多く、採集したり潜ってみただけでもマツバスズメダイ、ヒレグロスズメダイ、キホシスズメダイ、スズメダイ、コガネスズメダイ、アマミスズメダイ、シコクスズメダイ、タカサゴスズメダイといった種を見ている。このほか近辺ではデバスズメダイやらカブラヤスズメダイなども出ているようだ。深場ではトウカイスズメダイなども釣れるようである。このようにスズメダイ属やヒメスズメダイ属がそこそこいる場所なのだが、ヒメスズメダイを見たのは初めてであった。

最後に。松村香織さん18回目の17歳お誕生日おめでとうございます。

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カワハギ

2024年01月16日 08時40分25秒 | 水中写真

カワハギはこのぶろぐでも何度も紹介している...と思いきや、最後にカワハギが登場したのは2010年8月で、13年以上このぶろぐでは出てきていなかったらしい。このあたりの海は熱帯性の魚が多数みられ、温帯の魚は少ない。キュウセンやホンベラ、メバル類、アナハゼなどほとんど見ないが、その中で温帯性種であるカワハギはよく釣れる。漁港からのブッコミ釣りや砂底での投げ釣りで、シロギスとならぶターゲット。しかもこのあたりのカワハギ、なんかでかい。ヒトの顔くらいのものさえ見られる。

なぜこのあたりのカワハギがでかいのかは不明だが、餌も豊富であることが理由かもしれない。サンゴやカイメンの類も多いこの海であるが、あまりそれらを食べてほしくはないところ。肝が美味しい本種だけに、毒化してもらっては困るのだ。

この近辺ではモンガラカワハギ科の種はそれなりに見るがカワハギ科の種は少なく、ヨソギ、アミメハギ、ウスバハギ、ソウシハギと本種くらいで、しかも前二者は一度しか見たことがない。ハクセイハギ属の種もいるとは思われるのだが、少なくとも私は見たことがない。

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ツノダシ

2024年01月15日 08時10分47秒 | 水中写真

水中写真で撮影したツノダシ。ツノダシは遊泳性が強く、藻類やカイメンなど付着した生物を捕食するため採集経験もないし、飼育が難しいとされる本種の飼育経験もない。このカマのような、長く伸びる背鰭で素早く泳げるのだろうか?とみんな考えるのだが、実は非常に素早く、スイスイと泳ぐ。

先述のようにツノダシは藻類やカイメンなどを捕食する魚である。右のほうにうつっているニザダイ科のヒレナガハギも同様に藻類やカイメンを捕食する。ニザダイ科の魚と食する餌が似ているのは偶然ではない。実はツノダシ科はニザダイ科に近いといわれているのだ。何気に中央には先日このぶろぐでもご紹介したニザダイが写っている。ツノダシによく似ている魚といえば、ハタタテダイを思い浮かべる方も多いであろうが、ハタタテダイはチョウチョウウオ科の魚でありまた別の科らしい。この辺はまた今度機会があれば。

このときはツノダシを見る機会が多かった。こちらは先ほどニザダイがいた場所とほど近い場所で撮影されたツノダシ。この場所ではいつも見られ(越冬していると思われる)、は単独やペア―でいることが多いが、パラオなど大群をつくるようなところもある。ほかのメジナやイスズミ、ブダイ類などの群れに混ざっていることも多い。これらの魚も藻類を好んで食べる雑食性の魚たちであり、一緒に群れていたら餌にありつくのに何かと便利なのだろう。藻類を好んで食べる魚というのは、大きな群れをつくることが多いのだ。アイゴやニザダイ類が通った後は海藻や藻類がなくなっている...なんてこともある。

ツノダシの飼育は難しいといわれている。全長20cmを超えるそこそこのサイズになることもその理由といえるのだが、餌が藻類やカイメンなどであるためなかなか餌付かないということ、ややデリケートな性格であること、病気にかかりやすいことなどがあげられる。また水槽で飼育するとその長いご自慢の鰭もほかの魚につつかれてじょじょに短くなっている、なんていうこともあるようだ。そのため私は飼育したことがなく、某飼育サイトではわざわざ飼育者のもとを訪ねている。なお、食用にもなるらしく、味のほうは結構おいしいとされている。

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ソラスズメダイ

2024年01月14日 08時56分18秒 | 水中写真

昨2022年には海底をびっしり埋め尽くすように群れていたソラスズメダイも、今年はぱらぱらしか見られず。今年は海の中を見ていてもハタ科やフエダイ科、フサカサゴ科の魚がかなり目に付いたため、それらの餌になっていたのだろうと思われる。ガンガゼのいる場所や岩の隙間に小さな群れを見ることができた。小さいものは浅い岩礁域で群れをつくっていて、まあまあな数見られた。

動画ではどうしても暗くなってしまっている。青い色がなかなかうまく再現できない。これはまだうまく再現できた方。尾鰭や臀鰭の黄色がきれい。

ピンボケでぶれているが、傷がついていたソラスズメダイの姿もあった。ほかの魚かなにかに襲われたのだろうか。海は楽園のようなイメージもあるが、その中で生きていくというのはなかなか厳しいものである。今回はこのソラスズメダイのほか、自身初見のスズメダイもこのポイントに見られた。この魚についてはまた後日ご紹介したいと思っている。

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