今日は病院なので軽~く。昨日オニベラを紹介したが、今日もカミナリベラ属で。
こちらはベラ科・カミナリベラ属のカミナリベラ。属標準和名が「カミナリベラ属」となっていることからもわかるようにこの属の元祖的存在。雌は四国の浅い磯ではごくごく普通にみられる魚であるが、雄はなかなか見られない。写真の個体が雄で、派手で格好いいベラである。体側の青い線は尾の付け根から体側中央にまであるがそれより前方には伸びていない。このカミナリベラ属のなかでもカミナリベラを含むStethojulis interruptaのコンプレックスは混乱していた。どうやらS.interrupta,S.terina,S.zatimaの3種に分けられるようである。
この3種のうちS.interruptaはバンダを基産地とし、インド洋沿岸とインドネシア・オーストラリアにすみ、西は南アフリカにまでその分布域が広がっている。S.terinaはS.interruptaの亜種とされたこともあったが、近年は独立種として扱われる。基産地は日本で日本、台湾、朝鮮、中国に生息し、種標準和名カミナリベラとされるのはこのタイプである。そしてS.zatimaは英語名でFull-ribon wrasseとよばれ、体側の青い線は途切れないのが特徴である。雌は体が白っぽくて頭部や体側前半部に黄色い線が入る。基産地はフィリピンであり、フィリピン、インドネシア、マレーシアの海に生息する。観賞魚としてはまれにフィリピンから入って来るが、飼育はやや難しい。
周りにはソラスズメダイやカゴカキダイなどが群れており、釣り人のオキアミのおこぼれをあさっていた。動物食性が強いらしい。
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