今朝の東京新聞「筆洗」から抜粋します。
九州を、想定を超える連鎖地震が襲った。鹿児島の川内(せんだい)原発をなぜ止めぬのかと疑問や不安を抱える人は少なくないが、原子力規制委は、「科学的根拠がないから」と説明する。
震度7の激震が連続した。地震活動が今後どうなるか。九州沖から関東に達する中央構造線への影響は。阿蘇に潜むマグマを刺激せぬのか。専門家も確かなことは言えない。
川内原発再稼働を是とした先の福岡高裁ですら、今の科学では不可能な噴火の予測を可能なこととしている規制委の指針は、「不合理」だと断じた。地震も火山も科学的に分からぬことだらけ。であるのに、「科学的根拠」がない限り原発は止めぬという論理は、論理的か。
「原発はかなり経済的重要性が高い。これを止めた場合、責任は誰が?」
「では、止めぬ場合の責任は?」
取り返しのつかぬ事故が起きても、誰も本当に責任を取ろうとはせぬし、取りようもないことは、五年前の事故で証明済みだ。
今回の九州の地震、原発が何とかなっているのでありがたいが、いつどうなるかわからない。地元の人たちが思いやられる。
止めて当然のことをなぜしないんだ。恐怖心をあおってなんになるんだ。