東京電力福島第一原発の排水溝から高濃度の汚染水が外洋に漏出し、現在も外洋への汚染が続いていることが明らかになったけど、東電、原子力規制委員会、政府のあまりのお粗末さに「どこまでなめられてんだ、日本国民は」とまたもやガックリ。
今朝の東京新聞1面の記事をまとめてみました。
●汚染水漏れ1年以上前報告 規制委、対策指示せず
東電は13年11月ごろ、排水溝を流れる水に含まれる放射性セシウムなどの濃度が高いことを原子力規制委員会に報告。
規制委は14年2月には「15年3月末までに濃度基準を下回るように」と文書で求めたが、東電は「検討中」「データの整理中」などの答えを繰り返し、改修案はうやむやになった。
その一方、東電は14年4月から1週間に1回、排水溝の流量や放射性物質の濃度などの測定を開始。日常的に汚染された水が流れ、雨になると濃度が急上昇する状況を明確につかんでいた。
しかし規制委は、東電がどんな対策を練っているのか積極的に把握しようとせず、今月24日に東電が高濃度汚染水の漏出のデータを報告するまで明確に状況を把握できていなかった。
田中俊一委員長は25日の記者会見で「排水溝は雨水などがあり、コントロールできない。放置していたわけではなく、会合で議論していた。(規制委に)責任問題はまったくない」と述べた。
◆政府なお「状況コントロール」
政府は遅くても2013年11月以降、継続的な汚染水漏れを把握しながら、外洋への影響を否定してきた。
菅義偉(すがよしひで)官房長官は25日の記者会見で「港湾外の海水の濃度は法令告示濃度に比べ十分に低い。汚染水の影響は完全にブロックされている。状況はコントロールされている」と述べた。
安倍晋三首相は汚染水漏れが続いていた14年10月の参院本会議で、2013年9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会での「アンダーコントロール(管理されている)」との発言の撤回を求められた際も、「全体として状況はコントロールされている」と繰り返した。
てやんでぃ、アンダーコントロールだと?福島原発事故は管理なんかされてないじゃんけ。
東電は隠し、原子力規制委員会は見ぬふり&コントロールできないと言い、政府はコントロールされているとうそをついている。
そんでもって、だーれも責任はとりまっせん。
今日の東京新聞社説では「すべての情報を公開せよ」と言ってる。すべてを公開すれば解決するわけじゃないけど、まずは明らかにしないと対策も立てられないじゃんか。
社説から抜粋します。
●汚染水が海へ 全ての情報を公開せよ
まだ懲りていないのか。東京電力は、福島第一原発の汚染水が外海に流出し続けていたのを放置し、公表もしなかった。原子力につきまとう隠蔽(いんぺい)体質を改善しないと、事故処理も進まないだろう。
安倍晋三首相は言った。
汚染水は「全体としてコントロールされ、影響はブロックされている」と。
ところが、高濃度の放射能汚染水が原発構内から外洋に漏れ続けていたことが、明らかになった。
2号機の建屋の屋上にたまったものが雨で流され、排水溝から外に出た。雨が降るたびに放射性セシウムやストロンチウムの濃度が高くなっていた。
問題なのは、東電がこのことを13年11月には知っていながら公表せず、応急措置も施していないことである。
住民の健康や漁業者の生活に直結する重大な情報こそ、コントロール(操作)され、ブロック(遮断)されていたのである。
情報を表に出したがらないムラ社会の体質が、福島の事故につながったという指摘も多い。これだけの惨事を起こしていながら、変われないのはなぜなのか。生命や安全を軽視し続けるのはなぜなのか。
電力会社に不利な事実やデータをも洗いざらい公開する姿勢がないと、不信はぬぐえない。国民の不安は募る。誠意がなければ理解は得られまい。
首相は汚染水の監視とデータの解析、公表を、命じられないのだろうか。コントロールとブロックを約束したのだから。
あーあ、安倍首相は「国民をアンダーコントロールしてるからこのままで大丈夫」とでも思ってるんだろうと……。