ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

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大間原発建設再開は核燃料サイクルの帳尻合わせのためだそうな

2012-10-08 08:53:13 | 原発

中浦和“ふうるふうる”のたらです。
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 大間原発は、敷地内に活断層がある可能性を専門家が指摘していて、「マグニチュード7級の揺れも想定される。最初に弱い地震波を検地してから約一秒で強い揺れが襲い、原子炉では核反応を抑える制御棒を動かす余裕もないだろう。その上、もし建屋の真下にも小さな活断層があり、連動して動いたらアウトだ。調査をやり直すべきだ」という声がある。
 青森県大間町など地元三町村は再開に賛成しているらしいけど、対岸の函館市の工藤寿樹市長はJパワーの性急な建設再開に反発。工事の差し止めを求めて提訴する方針を示した。

 いろいろと問題が吹き出しているのに、枝野幸男経産相は、すでに着工した大間原発などは「現行法令上、(設置許可を)途中で取り消す制度はない」との理由で建設継続を容認した。
 なぜ強引に建設再開を進めたのか。

  東京新聞10月5日の記事を抜粋して紹介します。

 電源開発(Jパワー)は東日本大震災で中断していた大間原発(青森県)の建設を再開した。安全性を判断する原子力規制委員会の新基準づくりはこれから。活断層の存在も指摘されている。
 そもそも政府が目標とする二〇三〇年代の「原発ゼロ」は無理になる。
矛盾だらけなのに、Jパワーと野田政権が建設再開を急いだウラには何があるのか。
◆「30年代ゼロ もはや無理」
 大間原発は、使用済み核燃料を加工したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を全炉心で使用する世界で初めてのフルMOX原発だ。使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを利用するプルサーマル計画で重要な役割を担う。
「フルMOX原発は、シビアアクシデント(過酷事故)対策が非常に難しい。ウラン燃料を使う普通の原発に比べると、数倍の量のプルトニウムが出る。事故で飛散すれば内部被曝は極めて深刻で、事故の結果はより重大になる」 原子力資料情報室の伴英幸共同代表は、フルMOX原発の危険性をこう説明する。
◆「核燃料サイクル 帳尻合わせ」「なし崩し」不信広がる
 政府が、大間原発の建設再開を容認したのは、核燃料のサイクル事業との関係が深い。
 MOX燃料は現在、海外に製造を委託しているが、将来は青森県六ヶ所村で建設中のMOX燃料工場で生産する計画だ。MOX燃料工場などの運営は東京電力などが出資する日本原燃が担う。
 青森県は六ヶ所村で全国の原発の使用済み核燃料を引き受ける代わりに、「再処理事業が実施できない時は、燃料を工場から運び出す」との覚書を、日本原燃と交わしている。
 覚書が行使されれば、燃料が返還され、大半の原発は燃料プールが満杯になって身動きが取れなくなる。
 伴氏は「政府は核燃料サイクル事業の帳尻を合わせるために、大間原発の再開を認めた。原発ゼロの声が大多数を占める中、計画中の原発を次々と着工するのは難しいと思うが、警戒を怠ってはならない」と話している。

※デスクメモ 
 大間原発の建設再開は、「原発ゼロ」政策の終わりの始まりだ。
 いったん完成してしまえば、民間会社がコストを度外視して、稼働中止や早期の廃炉に踏み切ることは有り得ない。
 八ッ場ダムと同じで、中止と継続の「どちらが得か」という議論になるだろう。そこには、安全の議論などない。