ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

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自己実現と成道(じょうどう)

2008-04-21 13:39:48 | 本や言葉の紹介
 「河合隼雄全対話 Ⅱ」での川田洋一さん(医学博士)との「象徴と無意識の世界」、おもしろかったです。特に、54~66ページの、釈迦(しゃか)が禅定(ぜんじょう)に入り、魔と向き合い、悟りを開き、梵天勧請(ぼんてんかんじょう)を受けるまでを、アニマの働き、影の働き、自己の顕現、共時性などで解き開いていくのが非常に興味深いものでした。
 文中の言葉を借りると、

川田 釈迦の成道(じょうどう)という過程は、まさに、心理学的にいうと、自己実現の過程の究極までいったものであるという……。


 また、“自己認識の道と衆生済度(しゅじょうさいど)の道が一致したのは、自己認識がある線を越えて究極まで行ったためだ”というのは納得でした。


河合 ところがそのへんを間違って、衆生済度のほうだけ意識して宗教家になろうとする人はよく失敗しますね(笑)。だから自分のことをほうって、ただ他人のためにひたすらがんばっておられる宗教家には、むしろ近所迷惑することが多くて……(笑)。


 これ、宗教家だけじゃなくて、ごく一般的に言えることですね。


川田 個人的なものからそれ自体が深まっていくと、人類的基盤にまで達する。個人から人類にまで及ぶ道が開かれてくると。
河合 深く深くゆくと、それは自然に普遍的な衆生済度の道につながっているというところが非常に面白いと思いましたね。
川田 そのあたりが宗教の本来的な見方でしょうね。あるいは修行の過程の本来的な道でしょうね。


 うーん、納得納得。