「マティーニに懺悔を」(今野敏 ハルキ文庫 角川春樹事務所)を笑いながら読みました。
ハードボイルドとうたっていますが、拳法の達人であることを隠している茶人がメインキャラ、アイルランド人でのんべのカトリック神父、バーのマスター、幼なじみの美女などがサブキャラの、ちょっとドタバタふうの後味のよいものでした。
茶人「俺は客をもてなすことに一生をささげる茶道の師範です。もし、客が私の拳法のことを知ったとする。客は私に必要のないおそれを抱くかもしれない。私はそれがいやなんです。(中略)それが俺の茶の道だと思っているのです。言ってみれば、忍ぶ心です」
神父「日本のことわざを思い出しましたよ。茶の道はヘビィ」
神父「スミレコはまだまだ若い。そしてきれいだ。番茶もデバナをくじかれる美しさです」 この男にことわざを教えた日本人はいったい誰なんだろう――
神父「さすがシショウのおとうさんだ。はらわたがすわっている……」
茶人「気持ちの悪いことを言わんでください。肝(きも)がすわっているというんですよ」
好きだなあ、こういうの。
ハードボイルドとうたっていますが、拳法の達人であることを隠している茶人がメインキャラ、アイルランド人でのんべのカトリック神父、バーのマスター、幼なじみの美女などがサブキャラの、ちょっとドタバタふうの後味のよいものでした。
茶人「俺は客をもてなすことに一生をささげる茶道の師範です。もし、客が私の拳法のことを知ったとする。客は私に必要のないおそれを抱くかもしれない。私はそれがいやなんです。(中略)それが俺の茶の道だと思っているのです。言ってみれば、忍ぶ心です」
神父「日本のことわざを思い出しましたよ。茶の道はヘビィ」
神父「スミレコはまだまだ若い。そしてきれいだ。番茶もデバナをくじかれる美しさです」 この男にことわざを教えた日本人はいったい誰なんだろう――
神父「さすがシショウのおとうさんだ。はらわたがすわっている……」
茶人「気持ちの悪いことを言わんでください。肝(きも)がすわっているというんですよ」
好きだなあ、こういうの。