花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

賀状

2018年12月31日 | わたくしごと、つまり個人的なこと

賀 状   長田 弘

 古い鉄橋の架かったおおきな川のそばの中

学校で、二人の少年が机をならべて、三年を

一緒に過ごした。二人の少年は、英語とバス

ケットボールをおぼえ、兎の飼育、百葉箱の

開けかたを知り、素足の少女たちをまぶしく

眺め、川の光りを額にうけて、全速力で自転

車を走らせ、藤棚の下で組みあって喧嘩して、

誰もいない体育館に、日の暮れまで立たされ

た。

 二人の少年は、それから二どと会ったこと

がない。やがて古い鉄橋の架かった川のある

街を、きみは南へ、かれは北へと離れて、両

手の指を折ってひらいてまた折っても足りな

い年々が去り、きみたちがたがいに手にした

のは、光陰の矢の数と、おなじ枚数の年賀状

だけだ。

 元旦の手紙の束に、今年もきみは、笑顔の

ほかはもうおぼえていない北の友人からの一

枚の端書を探す。いつもの乱暴な字で、いつ

もとおなじ短い言葉。元気か。賀春。

 無事に年を越せそうです。

「また正月が来た」なんて嫌な顔をしないで

感謝の気持ちで  新しい年を迎えたいものです

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カンバック!昭和商店街22... | トップ | 明けましておめでとうございます »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

わたくしごと、つまり個人的なこと」カテゴリの最新記事