21日午後6時より45名の方にお集まりいただき、ホウ・シャオシェン監督“冬冬の夏休み”を上映させていただきました。この作品は“三重県視聴覚ライブラリ”のお世話になっており、当初プログラムで見つけた時は「トントン!?・・・」パンダか子供向けの映画かぁ?と思い込んでいました。しかし、淀川長治氏著“究極の映画ベスト100”でも紹介されていて、映画好きの人の間では知られた作品であることが分かりました。何時もの皆さんに加え、映画通の皆さまもお越しいただきうれしい鑑賞会となりました。
“非情城市”では、台湾語、北京語、日本語と言語が入り乱れていました。そこで会場で“冬冬の夏休み”のことばは?と聞いた処、水野圭次郎さんからお答えをいただきました。
元々台湾にはいわゆる台湾語と云われる福建省の閩南語(みんなんご)に近い言葉と、広東省の客家の言葉、そのほかにアミ族をはじめとする少数民族の言葉がありました。
お年寄りの中には日本語と台湾語しか話せなか方もいますし、少数民族には日本語と民族語しか話せない方もいます。
中華民国成立後、大陸系の漢民族がどんどん入って来て國語(北京語をもとにした普通語)が公用語とされ、学校教育もテレビも國語です。若者や子供たちは台湾語が理解できず、御爺ちゃんお婆ちゃんは國語が理解できない。お互い意思の疎通ができないといった問題もあります。
ちょっと沖縄の琉球語と日本語の関係に似ています。
私は毎日、仕事で中国語を使っているので、一応映画の國語は8割くらい聞き取れました。子供たち、トントンの両親、警官、トントンの叔父さんは北京語を話していますが、銅羅のお爺ちゃん、お婆ちゃんと近所の人たちは台湾語を話しています。
また、映画は小学校の卒業式の「仰げば尊し」で始まり、「赤とんぼ」で終わる。これは日本の統治時代の遺産です。
台湾は本当に色々な国に翻弄されてきたということが見てとれます。
「セディック・バレ」という大作の映画を観ていただくと、もう一昔前の台湾がよくわかりますよ。
水野さん、詳しい説明をありがとうございました。言語が入り乱れている。日本では考えられないことです。
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