11月25日金曜日、“寅次郎相合い傘”を上映させていただきました。寒い中47名の皆さまにお集まりいただき感謝です。皆さんで一か所に集まり感動を共有することは、とても大切なことだと思っています。
早速、Tさんから感想をいただきました。ありがとうございました。
今回の「相合い傘」は、シリーズ第15作目で、昭和50年8月の公開。世の中が右肩上がりの景気にどんどん弾みがついてきた頃ですね。
リリーの白いスーツケース(横長で持ち手が一か所のみ)も流行の最先端を行っていたのでしょうが、現代の誰もが持ち運ぶキャリーバックに比べれば、すこぶる体に負担のかかる構造ですね。
又、年代物の4枚羽の扇風機が壊れてしまって、タコ社長の処から背の高い3枚羽根、高性能の新品を借りて来るシーンも笑えます。
そして極め付きは、御前様が、腕を組んで歩く寅とリリーを見咎め、「青少年に悪い影響を及ぼす」と嘆いていて、何ともおかしい。
さくらから“なぜリリーと結婚居しないのか?”と問われて答える寅のことば「リリーのような、頭が良くて気の強い女は、ひとりでちゃんと生きていけるさ」う~~ん 男ってそうなんですか?
ずーっと以前観た映画でも、主人公の女が、好きな男を平凡で甘えん坊の他の女(或いは実の妹だったかも)に取られる話を思い出しました。現代ではどうでしょうか。結構強い(頼りになる)女と、弱い(優しい)男のカップルが多い様に感じますが。
おマケ・・・今回の作品の中で最も美しいと思ったのは、西瓜を切り分けるシーンでアップになったおばちゃん(三崎千恵子)の手です。節のないスラリと伸びた指(いわゆる白魚のような)が、うっとりする程美しかったです。山田監督、こんな細かいところにも美意識を持っているお人なのですね。
今後の上映希望作品は「二百三高地」です。
女性ならではの感覚で書かれた感想をありがとうございました。三崎千恵子さんの手の美しさには気がつきませんでした。
今回の“相合い傘”は、人のエゴ(身勝手)と“おもいやり”がせめぎ合いをするような作品でした。小樽で寅とリリーが“女は、男次第で幸せになるもの”の論で喧嘩。柴又のとらやでは、リリーを思う“寅のアリア”を語り、翌日にはメロンのことで子供のようにわがままを云い、その日の夜には、雨の中リリーを迎えに行く。そして結果、相手を思うが故に一緒になることを拒否する。
山田洋次監督は、いつも人への“おもいやり”を考えている方です。監督の“やさしさ”が素晴らしい作品を生み出しています。
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