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大学入試の制度と業務をめぐるあれこれ、さまざまな事例に注目

2013-10-09 10:14:11 | 読書ノート
櫻田大造『大学入試:担当教員のぶっちゃけ話』中公新書ラクレ, 中央公論社, 2013.

  日本の大学の入試制度とその業務について解説した本。副題の軟派な印象とは異なり、きちんと関連文献を収集して広く手堅く記述してある。著者の体験談的な話はごくわずかにすぎない。

  結論を簡単に言えば、問題作成・監督・合格者の決定などを含む一連の入試業務は、担当者となった専任教員に大きなストレスをもたらし、また研究時間を削るものになっているということである。この認識は大学関係者の間では月並みかもしれないけれど、世間に知ってもらう価値はあるかもしれない。大学関係者にとって面白いのは、さまざまな大学の事例のほう。「どこも苦労してるんだなあ」とか「こんな上手くやっているところもあるんだ」といちいち感心してしまう。

  僕の場合、かつて入試監督でミスって新聞沙汰になった経験や、自画自賛したくなるような力作の入試問題を作りながら受験者が三名しかいなかったことを思い出してしまい、冷静に読むことができなかった。
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