Marc Johnson "The Sound of Summer Running" Verve, 1998.
ジャズ。Bass Desiresと同じギター二台とドラムとベースという編成だが、メンバーには若干の変更がある。ジョンソンとフリゼルはそのままで、新たにPat Metheny(g)とJoey Baron(d)が加わっている。サウンドもカントリー風味が増し、かなりリラックスした演奏である。壮絶なギターバトルを期待すると裏切られる。
内容はいたって健康的。神経質さや過剰な感傷も無く、情動は中庸な状態のまま。Bass Desiresにあったかすかな狂気は感じられない。ギターシンセを使わない時のメセニーの演奏は中庸そのものなのだが、もう一人のギタリストであるフリゼルまで中庸になっている。このアルバムで、フリゼルは以前のようにエフェクト類を駆使したレイヤー仕事をしておらず、普通のギタリストのようにバッキングを務め、ソロを取る。1990年代から傾注していたカントリー色を前面に出した演奏であるため、彼らしさは失われていないけれども。また、ジョーイ・バロンのドンスカと楽しげなドラムは全体の演奏を緩いものにしており、Bass Desiresにおけるアースキンのシャープなドラミングが生み出していた緊張感も消失した。
以上のようなわけで、暖かくて聴きやすい内容ではあるけれども、個人的には緩すぎるように思える。Bass Desiresのような「ひねり」が何か欲しいところだ。
ジャズ。Bass Desiresと同じギター二台とドラムとベースという編成だが、メンバーには若干の変更がある。ジョンソンとフリゼルはそのままで、新たにPat Metheny(g)とJoey Baron(d)が加わっている。サウンドもカントリー風味が増し、かなりリラックスした演奏である。壮絶なギターバトルを期待すると裏切られる。
内容はいたって健康的。神経質さや過剰な感傷も無く、情動は中庸な状態のまま。Bass Desiresにあったかすかな狂気は感じられない。ギターシンセを使わない時のメセニーの演奏は中庸そのものなのだが、もう一人のギタリストであるフリゼルまで中庸になっている。このアルバムで、フリゼルは以前のようにエフェクト類を駆使したレイヤー仕事をしておらず、普通のギタリストのようにバッキングを務め、ソロを取る。1990年代から傾注していたカントリー色を前面に出した演奏であるため、彼らしさは失われていないけれども。また、ジョーイ・バロンのドンスカと楽しげなドラムは全体の演奏を緩いものにしており、Bass Desiresにおけるアースキンのシャープなドラミングが生み出していた緊張感も消失した。
以上のようなわけで、暖かくて聴きやすい内容ではあるけれども、個人的には緩すぎるように思える。Bass Desiresのような「ひねり」が何か欲しいところだ。