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外山啓介&辻本玲 ドラマティック・コンチェルト!

2012-02-09 23:37:02 | 音楽

2012_0204_toyamatujimoto1_2 最近は年に2~3回、クラシックコンサートに行っており(昨年は4回:2/54/246/210/9)、2月4日(土)はザ・シンフォニーホールで行われた「外山啓介&辻本玲 ドラマティック・コンチェルト!」を聴いてきました。

この日は日程がバッティングした「洋風建築めぐり講座」はやむなく欠席です。K先生スミマセンm(_ _)m

~ザ・シンフォニーホールのHPより~

進化し続ける実力派ピアニストと若手新星チェリスト、二人が華麗なる競演!外山啓介&辻本玲 ドラマティック・コンチェルト!

ピアノの貴公子・外山啓介さんとチェロの新星・辻本玲さんの二人がザ・シンフォニーホールに帰ってきます!

まず、チェロ界に彗星のごとく現れた若手チェリスト・辻本玲さんですが、2010年7月の公演“小林研一郎の「夏休み・名曲招待席」”のソリストとして登場して以来の来演となります。世界の“オザワ” こと小澤征爾さんが総監督を務める、サイトウ・キネン・オーケストラにも参加するなど注目を集め、今後世界を股にかけて活躍が期待される辻本玲さん。ドヴォルザークの代表作であり、チェロ協奏曲の中で最も有名な作品の一つで、チェロ奏者にとって外せないレパートリーでもある「チェロ協奏曲 ロ短調」をお届けします。

そして、後半は外山啓介さんが登場。8月のピアノ・リサイタルから半年ぶりとなる外山さんですが、ザ・シンフォニーホールでのオーケストラとの共演は、2007年10月以来のことです。演奏曲目はラフマニノフ「ピアノ協奏曲 第2番」。ピアノ協奏曲の中でも最も人気のある最高傑作の一つで、分かりやすい旋律美、ピア二スティックな華やかさなど、非常に魅力的な作品です。この曲は、とても高度な演奏技巧が要求されますが、色彩豊かな音を奏でる外山啓介さんがどのようにしてこの難曲に挑むのか!? 一聴の価値有りです。

進化が止まらない実力派ピアニスト・外山啓介さんと若手有望のチェリスト・辻本玲さんの二人の華麗なる競演をザ・シンフォニーホールで聴いてみませんか?

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この日の出演者とプログラムです。

  指揮/山下一史
  チェロ/辻本玲
  ピアノ/外山啓介
  管弦楽/日本センチュリー交響楽団

  1.ドヴォルザーク/スラヴ舞曲集第1集第8番 op.46-8
  2.ドヴォルザーク/チェロ協奏曲 ロ短調    op.104
  3.アンコール(チェロ独奏)
      バッハ/無伴奏チェロ組曲第3番より「サラバンド」

  ~~~休憩~~~

  4.ラフマニノフ/ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 op.18
  5.アンコール(ピアノ独奏)
      ギロック/ウインナーワルツ

ドヴォルザーク/スラヴ舞曲はかなりテンポが速く、迫力もあって良かったと思います(ピッチはやや低め?)。ですが、聴衆はこの日のメインである2つの協奏曲を早く聴きたいといった感じで、拍手は1回だけでした。

2曲目のドヴォルザーク/チェロ協奏曲は美しい旋律がいっぱいの大好きな曲です。メロディも大体頭に入っているしCD(手持ちはヨーヨー・マ/マゼ-ル ベルリン・フィル盤)による予習なしでもOKだろうと思ったのですが、これはちと失敗でした。また、コートはクロークに預けたものの厚手のセーターを着ていて暑く、やや遅めに摂った昼食の満腹感もあって、途中で少し睡魔にも襲われてしまいました。そのため熱演の辻本さんには申し訳ないのですが、評価は期待度対比でやや低めとなってしまいました。

しかし、アンコールのバッハはとても素晴らしく、しんとしたホールに響く音色が絶品でした。チェロの音は人間の声にもっとも近いと言われ、心に直接響いてくるような演奏だったと思います。アンコールの際、指揮者の山下氏が袖からそっと出てこられ、ステージ隅のピアノの椅子に腰掛けてじっと聴いておられたのも印象的でした。辻本さんはチェロ用の演奏台(?)の上で演奏されました。これは音響面での配慮からなのでしょうか?

そして休憩後のラフマニノフ。これは圧巻でした。第1楽章と第2楽章がこの日のベストです。

冒頭、外山さんの奏でる荘重な和音。次第に音が大きくなっていき、そこにオケが重なって有名な旋律が実にゆったりと重々しく壮大に広がります。そして、めまぐるしく動く外山さんの手。音響的にも視覚的にも迫力あり。一気にラフマニノフの世界にひきこまれました。

第2楽章はピアノとフルート・クラリネットの掛け合いが絶妙。クラリネットが奏でるメロディが美しい。その後も、ピアノとオーボエや第一ヴァイオリン等との掛け合いも味わいがあり、終盤の弦の音色も良かったです。第2楽章は全体に静か&ひそやかで、ポロロンと弾く感じのピアノが限りなく美しかったです。

第3楽章は曲の雰囲気が頻繁に変わり、ちょっとコミカルな感じも。ここぞというところでの総奏の迫力は見事。一方で、ひそやかな個所でのシンバルの微弱音も印象的でした。この音色はCDでは聞き取れていませんでした。

この日の席は1F-P10で、外山さんの手・指の動きもよく見えました。低音から高音まで激しく、めまぐるしく動く指。しかし、身体の揺れなどは意外に少なく、端正で見事に抑制された、しかし華麗な演奏が印象的でした。

ラフマニノフ/ピアノ協奏曲 第2番をコンサートで聴いたのは3回目くらいかな?勉強不足なのですが、この曲が美しく叙情的であると共にメロディラインも覚えやすいことを実演で再認識しました。また、CDでの予習時(ワイセンベルク/カラヤン ベルリン・フィル盤)にはちょっと長いなあと感じていたのですが、実演では各楽章とも短く感じられ、もっと聴いていたいと思い、大感動でした。

この日、オケは木管が好調で(木管ソロは出番も多く目立つのですが)、特にフルート・クラリネット・オーボエのトップの方が終始素晴らしかったと思います。弦も強奏するところでは音も大きく&よく揃っていて、好サポートだったのでは?金管・打は安定感あり。終演後に木管トップの方が皆さん握手をされていたのも印象的でした。

総合的にこの日も大満足のコンサートとなりましたが、聴衆は7割くらいの入りだったでしょうか。盛大な拍手がありブラボーの声も飛んでいましたが、満員でもっと多くの聴衆の方から絶大な拍手をもらったら、更に感動度が上がったでしょうね。そこだけがやや惜しまれます。


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