このところ公私共にめちゃくちゃ忙しく(プライベートでは自宅マンションリフォーム準備など)、ブログ更新が10日に1回くらいになっています。
が、そんな中、数ヶ月前にチケットを購入していたベルギーのオケ「ロイヤル・フランダース・フィル」の大阪公演に行ってきました。クラシックコンサートは2月の「外山啓介&辻本玲 ドラマティック・コンチェルト!」以来です。
今回のプログラムは、
指揮:エド・デ・ワールト
チェロ:ポール・ワトキンス
1.エルガー:チェロ協奏曲
2.マーラー:交響曲第一番
「巨人」
チェロは当初予定のマリー=エリザベート・ヘッカーさんが健康上の理由により来日中止となったため、代演でポール・ワトキンス氏になりました。美人チェリストを見ることができずにちと残念。
エルガーのチェロ協奏曲はCD等でも聴いたことがなく(未所有)、マーラーの「巨人」もコンサートでは初めてです。今回、予習用に聴いたCDは下記の2枚。
エルガー:ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ)
ジョン・バルビローリ指揮
ロンドン交響楽団
マーラー:レナード・バーンスタイン指揮
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
共に名盤と言われていますが、会社の昼休みや就寝時にディスクマン&イヤホンで聴いただけだったこともあって、実演での音の響き・深み、情報量(音色・ダイナミックレンジ、視覚面の情報も)、迫力などが素晴らしく、感銘度も遙かに上でした。やはりコンサートに行かねば!
ワトキンス氏は急な代演となったようでしたが、キャリアは十分で、演奏ぶりも余裕たっぷり。表情は終始にこやかだったものの、ここぞという箇所の直前の、かっと身体をふるわせる感じが印象的でした。チェロの音色もよく響いて良かったと思います。ただ、こちらの予習不足でメロディがまだ頭に入りきっていなかったこともあり、どの楽章が良かったか等は評価できずでした。
アンコールは、バッハの無伴奏チェロ組曲 第一番「プレリュード」。
休憩後のマーラーは約100名のメンバーが登場。当日のオケの配置と人数は概略で下記のような感じでした。今回の席は2Fの最前列中央寄り(AA-34)で、若干距離感はありますが、オケの様子はよくわかりますし、実演でしか聞こえない音(見て確認して初めてわかる音)も多数あり、全く眠くなったりすることはなく最後まで集中して聴くことができました。
第1楽章では最初、トランペットの3人がバックステージで演奏され(遠くに聞こえるかすかな音色良し)、その後静かに入場。美しい楽章でした。トランペットのトップの方は全曲を通じて終始良かったと思います。
CDの予習では最初、映画などでも使われた第3楽章に親しみを感じていましたが、聴きこむうちに第4楽章をはじめとして他の楽章の良さにも気づき、次第に第3楽章はそれほどでもないか・・・と評価するようになっていました。しかし、この日のコンサートでは、第3楽章冒頭のひそやかなティンパニー(ソロ)&コントラバス(トップ)→ファゴット(トップ)→チェロ→オーボエ(ここで一気に存在感を増す)、クラリネット・・・という音のやりとり、受け渡しが非常に素晴らしく、結局この日は第3楽章が最も印象に残りました。
そして第4楽章へ突入。この楽章も素晴らしかったです。金管群の咆哮も終始迫力がありましたが、ここでは2人のティンパニーが凄かったです。向かい合わせでの演奏があったり、実によく揃っていましたし、音の大きさ・響きも申し分なし。終演後、トップの方がサブの若い方(?)をたたえてねぎらっておられた様なのも微笑ましかったです。
第4楽章では弦が奏でる第5番のアダージェット(?)と似たメロディが美しいのですが、ヴァイオリンの低音での総奏もよく響く素晴らしい音色だったと思います。
テンポは緩急はあったと思いますが、おおむね中庸だったのでしょうか。過剰な性急さや重々しさはなく、聴きやすい演奏だったと思います。終盤、ホルン(8)+トロンボーン(1)+トランペット(1)の10名が立ち上がっての演奏は見た目にも迫力があって良し。最後もガーッと盛り上げてビシッと決まり、全体的に大熱演でした。
演奏中は殆どオケメンバーの方を見ていたこともあって、エド・デ・ワールト氏の指揮ぶりはあまり印象に残っていません。その点も考え合わすと、過度に大げさな動きなどのない地味で丁寧な指揮だったのかと思います。ただし、紡ぎだされた音は素晴らしく、よく統率されていると感じました。マーラーの演奏後、コントラバスのトップを2回特に讃えられましたが、個人的にはティンパニーの2人(トップの方はこの日終始、キビキビと音も大きく見事)、トランペット・クラリネット・オーボエのトップにも特に拍手を送りたかったです。移動の時間があったため?あるいはマーラーの熱演での疲労度が大きいためかアンコールはなし。熱心に続く大きな拍手の中をコンサート・ミストレルの手を取って退場するスタイルとなり、ステージの半ばまで歩いてお開きの指示を出された模様でした。
この日のコンサートはお客さんが少なかったようで(6割くらいの入り?)、熱演に対する拍手も大きかったものの、ホール中を埋め尽くす熱気といったような感じに欠けたのが惜しまれます。もっとも、聴衆が少なかった分、音はよく響いていたような気もしましたけれど(笑)。満員の聴衆による熱烈大拍手が起こり、指揮者も熱演の奏者をもっと讃えてくえたら、より印象的な1日になったと思います。例えば、以前聴いたコンサートの中では「京都市交響楽団・大阪特別公演 リスト&マーラー 下野竜也」のときのように。このあたりは素人クラシックファンの願望に近いのですが(汗)。
今回、マーラーの第一番は実演を聴いてかなり印象に残ったので、いずれまた別のコンサートでも聴いてみたいものです。
◎参考ブログ
れぽれろさんの”れぽれろのブログ”
東条硯夫さんの”東条硯夫のコンサート日記”
ぶらあぼさんの”Bravo! オペラ & クラシック音楽”
榊原康祐さんの”音楽と落語”
わたしのブログのリンクまで貼っていただいてありがとうございます。
しかも東条先生と一緒なんて、恐縮の限りです。
2階の最前列センターで聴かれたとのことですが、そちらだとオーケストラ全体がよく見渡せ、音も一体となって良く響いたのだろうと推察されます。
ホルン全員が立ち上がるところ、トロンボーンとトランペットの人も立ち上がっていたのですか! 私の所からは全然見えませんでした。やはり席によって、聞こえ方ばかりか、見えたかも全然違うのですね。
今後ともよろしくお願いいたします。
はじめまして。
コメントありがとうございます。
TBをお送りし、勝手に記事へリンクを張らせて頂きました。
ロイヤル・フランダース・フィルの特にマーラーは素晴らしかったのですが、大阪のザ・シンフォニーホールでの公演は聴衆がやや少なく、もっと盛り上がって感動度ももう1ランクから2ランク上がってもよかったコンサートなのに残念だなあと感じてネットで色々検索しました。総じてマーラーは東京でも好評だったようなのが嬉しく、ぶらあぼさんの感想にもうなづくことしきりでした。
私は小中学校の授業でしか音楽を学んだことなく、楽譜読めない/楽器弾けない人間なのですが(そのため専門的な感想は書けないのです(汗))、クラシックは大好きです。やはりホールで聴くライブの音・響きは最高ですね。ホールや座席による音や見え方の違いなども面白いです。
ぶらあぼさんのブログにも遊びに行かせてもらいたいと思いますし、今後ともよろしくお願い致します。