病院建築を見た後はレンガアパートを目指しました。
鷹匠町にあることは分かっていたのですが、以前探訪した際は時間切れということもあって見付けられなかったものです。今回もかなりウロウロしたのですが、庭先で植木の手入れをされていた初老の男性に尋ねたところ、「ああ、それならすぐそこですわ」と教えて下さいました。そして歩くこと数分で発見。おおーっ！これか！！Ｋ邸を見たときも絶句したのですが、ここもインパクトが凄いです。でも、解体されつつあるようで侘びしさが漂っています。
このレンガアパートは旧紀陽織布の社宅で、何と竣工は大正９年頃とのことです。元々一階が煉瓦造、二階が木造なのですが、既に多くの二階部分が解体されて現在は南端の一棟のみ二階部分が残っていました。しかし、ここも住んでおられないようです。ちょうど向かいの土地が原っぱになっていたので、ほぼ全貌も写真におさめることができましたが、現役のときの姿を見たかったなあ。。。それと、この日は天気が悪くて日射しが全く無く、写真でレンガの美しい色を再現できなかったことが惜しまれます。
今回、裏手の高台が分譲予定地として整地されており、このアパートの一階煉瓦造部分を上から見ることができました。レンガの積み方や構造を確認することができるし、これは珍しいですね。但し、分譲予定地なので原則立ち入り禁止ですし、レンガアパート側には柵などが無く転落のおそれがあります。自己責任で十分にご注意下さい。
このアパートのことは「わかやまワクワク探検隊 明治・大正・昭和たてもの物語」という本で知りました。この本は和歌山市で建築事務所を主宰されている中西重裕さんの著書で、ホームページから連絡すれば入手可能と思われます。Ｋ邸のこともこの本で詳しく紹介されています。
～本の帯より～
知ってた？
こんなにある和歌山の魅力的な建物。
「あっ、この建物なんだか魅力的だな。」
誰でも一つくらいは持っている疑問、
そんな建物を集めた散歩の友に最適の一冊！！
分譲予定地ということはもうそろそろ取り壊されるのでしょうか・・
上からこんな風に見下ろすことができるなんてなかなかないことで興味深いです。
レンガアパートを見て京都の東山IVYの建物を思い出しました～
昔たばこ工場だったところで今は宿泊施設になっていますが
ちょっと朽ちかけたレンガがよい感じでした。
和歌山にもたくさん建物が残されているのですね～
すごく遠いイメージがあるのですが一度建築巡りに訪れてみたくなりました～
上から見下すことができたのはほんとに珍しく、参考になりました。
現在の分譲予定地そのものは背後の一段高くなった敷地なのですが、ここも遅かれ早かれ解体・整地は間違いないでしょうね。レンガアパートの余命は残りわずかと思われますので、探訪されるのであればお早めに！
東山IVY、ここも赤レンガの香りプンプンでしたね。ただ、塗装されたのか一部のレンガが赤すぎるのが多少気になった面はあります。
和歌山は県庁所在地にしては鄙びた感じがあって、その意味でとても面白い街です。