ひろの東本西走!?

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和歌山市のK邸

2008-02-03 22:29:00 | まち歩き

「関西 洋風建築めぐり」講座、2月度は和歌山市にあるK邸でした。

明治6年築の擬洋風建築で、アーチ形の鎧戸や緩やかな扁平アーチなど擬洋風建築特有の造形をみせており、ベランダが付いたコロニアルスタイルに分類されます。K家は代々医家で、二代目が紀州徳川家の藩医を勤め、五代目が神戸から大工を呼んでこの建物を建てたそうです。

医院は洋館と和館からなり、洋館の一階は待合室・応接間・投薬室、二階は書生部屋だったそうです。診療と治療は奥の和館の畳間で行われたとのこと。昭和9年の室戸台風で一部が傷んだため補修されたり色々と手が入ったとそうですが、建設当初の面影をよく留めています。ベランダ部の柱は中央の2つが円柱、両端の2つが角柱という組み合わせになっています。柱のためもあって一見すると石造りっぽく見えますが木造で、この柱も木製柱のまわりを塗り固めて洗い出し仕上げ(風?)にしているそうです。また、青石積みの門柱と塀が美しく見事なのですが、これはオリジナルではない模様です。

それにしても、住宅街の中に忽然と現れる古色蒼然とした佇まいには感動します。約130年前からこの地に建っており、建物が経てきた年月の長さに思いをめぐらせてしまいました。建物に傷みがあるのは当然ですが、大事に大事に使われて守られてきたことがうかがえます。和歌山県でも最古の部類に属する建物のようで(明治期に建てられた住宅の中で?)、一級品の名建築でしょうね。

注)この建物は登録有形文化財ですが、周りにお寺や神社が多い閑静な場所に
  建っている個人宅ですので、外から眺める場合も決して騒がしくしないことが
  肝要です。

◎参考ブログ:
   ノンさんの”☆秘書は猛獣使い☆”(2008-2-10追加)

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