2週連続で神戸市兵庫区の近代建築探訪に出かけました。昨日は朝早くから夕方までかなり広範囲を歩き回ったのですが、今回の記事はsunshine-worksさんのブログ”近代建築Watch”を参考にさせて頂いた烏原貯水池です。
湊川駅界隈を探訪したあと、バスで「石井町」まで移動し、そこから北へ15分ほど坂を上ると、そこに烏原貯水池と堰堤が現れました。ほぉーっ、なかなか見事な景色です。住宅地から少し歩いただけでこのような景色が広がるのは神戸ならではですね。
神戸市水道局のページによると、烏原貯水池ダム(堰堤)は「立ケ畑ダム」とも呼ばれ、明治38年5月に完成した”アーチ型重力式粗石モルタル積ダム”だそうです。現在の用途は洪水時の水量調整用らしく、貯水量は少な目のようですね。
立派な円柱と角柱を持つ洋風の小さな建物は機械室でしょうか。ダムそのものもそうなのですが、荒々しさと優美さを兼ね備えた石が立派です。市民生活に重要な水を扱う設備のためか、たっぷりお金と手間をかけたことが分かりますね。
下流側からの眺めです。迫力あり。
下流側の下方には煉瓦造の仕切り壁状の構築物がありました。なかなか味わいがあります。
建築探訪をする際には、途中であまり建物と関係なく山の中などを歩くことはないのですが、せっかくここまで来たのでウォーキングを楽しむことにしました。貯水池のまわりは1周約2.7kmの「水と森の回遊路」として整備されており、木陰の間をぬって快適な散策を楽しむことができました。久々の森林浴は気持ちいいですね。緑を見たり緑に囲まれると身も心もリフレッシュされるような気がします。空気もおいしいですし。束の間ですが、かつて山ばかり歩いていた頃のことを思い出しました。
以下の2枚の写真は、ぐるーっと周遊した途中で撮ったものです。途中で周遊コースからはずれて少しだけ上流に遡ったのですが、そちらにも面白い構築物や建築物があり、その写真などは次回に紹介します。
このダムは神戸に造られた3つの水道ダムの中でも最も凝った造りだと思います。
回遊路については私も散策しましたが、市街のすぐ裏の山なのに信じられないくらいひっそりした山村の風景に驚きました。確かに珍しい物が沢山ありそうな雰囲気でしたね。
こんにちは。
そうですか、ここが一番凝った造りなんですか。
いやー、見に行って&回遊路も歩いて良かったです。
六甲山系はかつて良く歩いてなじみがあるのですが、それでも市街のすぐ裏の山にこんな景色が広がっているのは驚きでした。どうも見落とした橋などもあるみたいなので、いずれ再訪したいと思います。ブログを参考にさせて頂き、ありがとうございました。
烏原貯水池もその一つで、坂を登り詰めると、いきなり目の前に湖面が広がります。
山が色づくのを待って、毎年訪れています。
この間も「花の休憩所」では、将棋に負けた老人がコーヒーを入れてくれ、傍らの人から烏原村の歴史を聞きました。
村には多くの水車が回り、石臼で樹皮を砕いて線香の原料粉を作っていました。明治34年に着工したダム建設で、98戸、414人の村は湖底に沈みます。離村した人たちの多くが淡路に集団移住し、また線香作りにいそしんだのです。集団移住は始めて知りました。
烏原にはダムとそれにまつわる長い歴史があり、興味深いところです。
また桜と新緑の頃にも訪れてみたいものです。
コメントありがとうございます。
>小半時歩くと、街の騒音は遠い世界になる。
>そんな山あい、谷あいが神戸には幾つかあります。
ここの佇まいにはビックリしました。
市街のすぐ裏の山にこんな景色が広がっていたとは!
烏原村の歴史のことは知りませんでした。
そうですか、98戸、414人の村が湖底に沈んだのですか。
春にまたこの静かな場所を訪れてみたいと思います。