レヴォリューション No.3(角川書店、新装決定版)
★★★☆:70点
今、評判を呼んでいるらしい金城一紀さんの「SPEED」。本作はそのゾンビーズ・シリーズ第1弾とのことで、新宿区のオチコボレ男子高校に通う主人公たちのハチャメチャ冒険物語です。読みやすいので約1日で読了しましたが、楽しく読めました。
この本には、①「レヴォリューション No.3」 ②「ラン、ボーイズ、ラン」 ③「異教徒たちの踊り」の3編が収録されていますが、①②は雑誌に掲載されたもので、③は書き下ろしとのこと。それもあってか、①②は同じような青春の熱気ムンムンといった空気を感じましたが、③はやや社会性が強い感じで、若干の違和感あり。また、描かれている日時の順番が古い方から③①②の順だったので、①→②と読んできて③で少し時間が遡ったのには多少面食らいました。とある主要登場人物についての回想シーン的な感じもあって、まあ、このような描き方も”あり”ですが、個人的にはストレートに日時の経過順の方が良かった気がします。
一部に叙情的・感傷的なシーンもありますが、まずは笑って元気になる作品ですね。それ以上のものではないかなという気もしますが、厳しい評価かな?3編の中では、お嬢様女子高の文化祭への突入に死力を尽くす表題作が一番ばかばかしくて、一番ハチャメチャで、一番エネルギッシュで面白かったです。
何度も出てくる、主人公がふとアギーに感じる”一瞬、抱かれてもいい、と思ったけれど・・・”は笑えます。いつも難しい本を読んでるけれど腕っ節が強い番長タイプの舜臣が良い。「異教徒たちの踊り」では鼻持ちならない大人がでてきますが、オチコボレ高校生であっても、人として間違ったことをしていない彼らはエライ!それを分かっている生物の教師、”ドクター・モロー”こと米倉も味わいありです。
表紙がザ・ビートルズの有名アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のジャケットのパロディのようで、それも面白かったです。
◎参考ブログ
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出版社 / 著者からの内容紹介
君たち、世界を変えてみたくないか?
オチコボレ高校に通う「僕」たちは、三年生を迎えた今年、とある作戦に頭を悩ませていた。厳重な監視のうえ強面のヤツらまでもががっちりガードするお嬢様女子高の文化祭への突入が、その課題だ。
内容(「MARC」データベースより)
オチコボレ男子高三年生の僕。難攻不落の女子高の門を、卒業までに必ず突破してみせる! 溢れるパワーと感性がきらめく青春小説の新たな古典。2001年講談社刊の再刊。ゾンビーズ・シリーズ第1弾。
コメントありがとうございます。
こちらからはTBを送って&リンクを張らせて頂きました。
(また、コメントしにいきますね)
まさにスーパーハチャメチャ&初心貫徹&ちょっと胸キュン青春物語でしたね。面白かった!世間ではおちこぼれと言われようが、”人として大切なものを持っている(by苗坊さん)”彼らはエライ!
面白い作品でしたよね~^^
まさに青春小説でした!
こんな友情が築けたらいいなぁと思います。
またこのシリーズが登場してほしいなぁと思います。
>もう金城さんも若くはないし
えっ?そうなんですか?
全く知りませんでした。というか全く想像しておりませんでした。
このシリーズは映画や音楽などをネタにして遊び心が入っているのも楽しいです。舜臣は私もイチ押し、2押し、3押しです。
>一部に叙情的・感傷的なシーンもありますが、まずは笑って元気になる作品ですね
うんうん。まぁ、確かにそれ以上でもそれ以下でもない。
それだけに、「若さ」あふれる作品だったと思います。
私のブログのコメントにも書いたけど、
もう金城さんも若くはないし(何歳だ?知らないけれど^^)
最初の2作品のような作品をこの先書くのは難しいだろうなぁなんて思うと、
余計に愛おしく感じたりして。
また舜臣に会えてうれしい!…私にとっては、そんな作品でした(*^_^*)