ひろの東本西走!?

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聖アグネス教会

2009-07-09 22:40:39 | 近代建築

明治館の見学が終わり、一同はキャンパス内を通って中川先生のメインの講演が行われる聖アグネス教会・礼拝堂に移動しました。

明治館の方からは教会の背面が見え、またお隣には神社もあるため、煉瓦造の教会と純和風の建物が並んだ姿はどこか不思議な光景です。他にも、例えば南禅寺の水路閣もありますし、これはモダンで古い都市・京都ならではの景観かもしれませんね。南西角に張り出した八角形の洗礼室が味わいありです。

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聖アグネス教会はアメリカ人建築家・ガーディナーの設計で、1898(明治31)年に竣工しました。ゴシック様式の三廊式ですが、袖廊が小さく左右非対称です。左右非対称はちょっと珍しいかもしれません。礼拝堂内は多数あるステンドグラスがとても美しいです。

講演に先立って、パイプ・オルガンの演奏と「アヴェ・マリア」の独唱がありました。石造の教会ではなく木造なので、音が朗々と響き渡るといった感じではなく、ほどよく広がって染み入るような響きでした。木組みなども美しく、荘厳で静謐な空間の素晴らしさを堪能しました。

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この日の中川先生のご講演は、平安女学院(明治館・昭和館)や聖アグネス教会の建物についてはもちろんのこと、明治政府の誕生と共に人口も激減して著しく衰退した京都が、その後どのようにして今日のような歴史都市・観光都市であり、学校や教会が多い都市となったのか・・・などなど、とても盛りだくさんの内容で学ぶところ大でした。また、工業都市化の試みがいったんはことごとく失敗したものの、その後の三大事業(第二琵琶湖疎水、上水道敷設、道路拡幅+電気軌道敷設)でようやく近代都市構造が出来上がったとのこと。当初、かんがい・舟運や水力発電用であった琵琶湖疎水の水が日本庭園用に変質した話、東京遷都に伴って公家や武家の屋敷が空き家になった後、そこに学校がどんどんできたという話なども実に興味深かったです。

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