今年の歩き初め・初探訪は須磨の旧室谷邸からです。
実は年末に、神戸市須磨区離宮前町にあるヴォーリズの名建築・旧室谷邸の解体が発表され、近代建築ファンの間に大きなショックが広がりました。
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~神戸新聞の記事より(抜粋転記)~
旧室谷邸は、木材商の故室谷藤七氏が自宅として一九三四年に建てた。居間や食堂のある主屋は木造とレンガの地上三階、地下一階建てで、延べ床面積約六百四十平方メートル。英国伝統の様式を踏襲しており、離宮道の松並木と一体となった景観を構成している。
邸宅を室谷家が手放したのは昨年八月。姫路市の不動産会社が購入し、美術品を邸内に置く構想のもと、調査したところ、主屋の傾斜が進み、湿気による内装の腐食が激しいことが分かった。
ヴォーリズ建築に詳しい大阪芸術大の山形政昭教授(建築史)は「室谷邸は、日本近代の洋風邸宅建築でも指折りの作品。須磨の歴史的、景観的な資産が失われることは、地域にとって大きな損失」と指摘し、業者側にあらためて慎重な判断を求めている。
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地元住民の方からも「保存を」の声が上がっているようですが、補修や移築には10億円といった費用がかかるそうで、神戸市も買い取るだけの余裕がなく、今のままでは非常にまずい状況です。昔であれば、大パトロンが救いの手をさしのべたりしたのですが、最近はサラリーマン社長が多いし、そういう人が少なくなりましたしね。この建物は過去に何度か見ているのですが、今回初めて写真を撮りました。ハーフ・チンバー&煉瓦という完全に私好みの建物です。内部(内装)については知らないのですが、傷みはあるとしても凄いレベルなんでしょうね。
それにしても、この地域のランドマーク的な建物だけに何とかならないものか・・・。
旧室谷邸を見た後は、旧・西尾邸、U田邸、O野邸を巡りました。いずれも規模の大小はあれ、素晴らしい建物です。旧・西尾邸は春に高級レストラン・スペース(だったかな?)として新たなスタートを切るようでした。
この後、塩屋に移動。以下、別記事で。
◎参考ブログ:のりみさんの”のりみ通信” (1/21追加)
”MINUTES/旧室谷邸の解体を考える” (1/21追加)
”余は如何にして道楽達人になりしか” (1/22追加)