ゲド戦記(映画)
★★★☆:60点
色々と酷評が聞こえてくる「ゲド戦記」ですが、前売り券を買っていたこともあって昨日観てきました。
ブログ友だちのゆきうさぎさんも感想を書かれています。ゆきうさぎさんは「いろいろ酷評もあるようですが、私は面白かったです」と評価されていますね。
********* ゆきうさぎさんのブログから引用 ***********
「テーマは‘命’。永遠の命? いえいえ...全てのものには限りがある―命もそう。限りあるから生きる意味がある。アレンが何におびえているのか、なぜ父を刺したのか...解りづらい点もありましたが、それでもラスト、良かったです。伝えたいことがハッキリしていました。
死を恐れる人も、生き続ける事に疲れて死に急ぐ人も、普通に生きている人も‘生’は限りあるんだということを改めて考えてみましょうよ」
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この引用部分は同感!です。
で・す・が・・・、私の映画全体としての評価は、うーーーん・・・といったところです。ジブリ作品で眠くなったことはかつて殆ど無かったはずですが、中盤あたりで、3回くらい細かな記憶がすっ飛んでいます。睡眠不足だったこともあるのですが、序盤から中盤にかけてのあまりの静かさ、展開の少なさに興味津々といった感じや緊張感が続かなかったです。私は「ハウルの動く城」にも色々と注文をつけたのですが(http://blog.goo.ne.jp/hirohiro009/d/20041121 http://blog.goo.ne.jp/hirohiro009/d/20060727)、本作品にはハウルを下回る点数をつけざるを得ませんでした。名作目白押しのジブリ作品なので期待度対比で損をしているとも言えますけれど。
ジブリが得意とする、あるいは父・宮崎駿が好きなヨーロッパ調の建物などの建造物や構築物・廃船(難破船?)などの造形・描写はリアリティがあり、煉瓦や石の質感も見事で80点を付けられるのですが、肝心の映画本体は40点で、平均して(って何のこっちゃ)60点どまりでした。
監督の宮崎吾朗さんのことは殆ど知らなかったのですが、宮崎吾朗らしさはどこに現れていたのかなあ?ゆきうさぎさんが書かれていることを描こうとしたのだとしても、あれだけの時間をかける必要があったのか。あるいは違う描き方があったのではなどと思いました。原作のある作品ですが、もっと創造的にはじけても良かったのでは?
また、あちこちで指摘されているように、分からないことも多すぎました。アレンが罪を犯した理由、ときおり現れる影(でしたっけ?)、アレンやテルーの本名とそれが意味するもの、ゲド(ハイタカ)の真の凄さや能力(魔力)などなど。(映画では?)結局テルーは○だったんですよね。凄い唐突だなあと感じたのですが・・・。結局、人と竜の関係や過去の歴史も分からずじまいでした。原作のことは全く知らないのですが、2時間近い映画にしては、描き込み不足やまとまりの無さも感じました。言いたくはないのですが、宮崎駿さんであれば、もうちょっと違った作品になったんやろなあ。。。
ポスターは作品の素晴らしさを予感させ、”戦記”という名前がついていたこともあって、てっきり戦いまたはハラハラドキドキの冒険物語だと思いこんでいたので、観ている最中”あれ?何かおかしいなあ”という気持ち絶大でした。今回も予備知識一切なしで観たのですが、あとから調べてみると、原作は結構内省的な物語らしいですね。でも、名作と言われているしなあ。夏休みということもあって子供さんも多数きておられましたが、終盤を除いて静かな描き方に退屈しなかったかな?
菅原文太の声はgood。岡田准一の声も私は元々よく知らないこともあって特に気にはならなかったです。だけど、声優が誰かを意識させるキャスティングは集中力をそがれるのでやはり反対です。
否定的な意見を色々と書いてしまいましたが、これもジブリ作品に対する期待の大きさゆえと言っておきましょう。
参考ブログ(8/22追加):To be continued アイリスの気ままに紡ぐダイアリー