中立ではない沖縄の新聞






 新聞は教科用図書八重山採択地区協議会が教科書を選択していった過程を取材して、

「協議会が、どの教科書がいい、という議論もせずに無記名投票で教科書を選ぶのか」
「結論ありき」
「責任の不在」
「崎原教育長は歴史、公民2科目の教科書しか読んでいなかった」

 と、協議会の委員が教科書選択にいい加減である実体を暴露している。そして、「協議会も教育委員会も透明性や公開性を求められる。教育委員会『議会』、委員は学校現場や市民の意見を反映させる『議員』だ。審議もなく、議会としての役割を果たしていない」と沖教祖の山本隆司中央執行委員長の発言を掲載している。
 協議会の教科書選択の実体を市民に暴露して、協議会を正していくのはマスコミのあるべき姿である。ただ沖縄の新聞は保守系の教科書選択の方法た゜けに注目していて、沖縄のほとんどの地域で行われている教科書選定の実体は追及していない。

 調査員の数名の現場教員が教科書に順位付けをして、協議会の委員は調査員が1位に推薦した教科書を選択するのが沖縄のほとんどの地域で行われている教科書選定のやり方である。

新聞は教科用図書八重山採択地区協議会の委員が全部の教科書は読んでいないと批判しているが、調査員が1位に推薦した教科書を協議会の委員がそのまま選択する方法では、協議会の委員が教科書を読んだとしても、調査員が1位に推薦した教科書を選択するのだから、読んだことになんの意味もない。協議会の委員は調査員が1位に推薦した教科書を選択する方法では協議会の委員は一冊の教科書を読む必要がない。
 八重山の協議会委員が教科書を二冊しかよんでいないと批判するなら、教科書を一冊も読まなくても選択できる現在の教科書の選択方法を大問題にしないとおかしい。

 調査員の現場の教員は全ての教科書を詳しく調査しているかどうかを新聞は調査したことがあるだろうか。果たして調査員は教科書の順位付けを徹底して論争しているだろうか。新聞は調査員が1位に推薦する討論会も取材するべきだ。そして、調査員が推薦した教科書を選択する協議会の実体も調査し暴露するべきだ。

 調査員に沖教祖の圧力がかかっているかどうかも明らかにする必要がある。調査員の推薦した教科書を協議会は選択しているが、調査員は沖教祖が指定した教科書を協議会に推薦しているのなら沖教祖が教科書を選んでいることになる。

 教科書の民主的な選択は、

1、 調査員である現場の教員は全ての教科書を評価し、評価には順位付けをしないで、協議会に送る。同時に調査結果を公表する。 (調査員に対しては圧力をかけない)
2、 協議会の委員は調査員の報告を参考に討論して教科書を多数決で選択する。
(委員には圧力をかけない)

 教科書をどのように選ぶかと、なにを選ぶかは違う。どのように選ぶかは民主的であるかどうかが問題であるが、なにを選ぶかは思想の問題である。教科書選択で問題にするべきは民主的なルールにのっとって教科書を選択するかどうかであり、どの教科書を選ぶかではない。

 ところが八重山の教科書選択問題は、保守系も革新系も、どの教科書を選択するかを争っているのであり、民主的なルールにのっとって教科書を選択することには関心がない。保守系の人たちと革新系の人たちが教科書選びで争うのは仕方がないが、せめて新聞は民主的なルールにのっとって教科書を選択することに関心をむけてほしい。
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