事実を隠蔽する最低ジャーナリスト金平茂紀


「翁長知事・県議会は撤回せよ謝罪せよ」
「一九七一Mの死」
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「沖縄に内なる民主主義はあるか」
第六章 八重山教科書問題はなにが問題だったか全文
第五章 普天間飛行場の移設は辺野古しかない全文
第四章 基地経済と交付金の沖縄経済に占める深刻さ全文
第三章 県議会事務局の米軍基地全面返還したら9155億5千万円経済効果試算の真っ赤な嘘全文
第二章 命どぅ宝とソテツ地獄全文
第一章 琉球処分は何を処分したか全文

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事実を隠蔽する最低ジャーナリスト金平茂紀

金平茂紀氏は全国放送をしているTBSのキャスターである。2004年にはボーン・上田記念国際記者賞を受賞している。根っからの報道記者である。報道記者であるなら事実を基本にして記事を書く。当然のことである。
金平茂紀氏がテレビで話したり、新聞等に記事を載せれば事実を報道していると人々は思う。金平氏は報道の役割について次のように述べている。
 
 テレビ報道という僕らの仕事は「発生モノ」と言われる目前で新しく起きた出来事に関心を奪われがちだ。「ニュース」という言葉の原義は「新しいこと」である。ただ、報道の役割はそうした目先のことだけで終わるものではない。また、そうであってはならない。長い時間を費やしてようやく理解できること、数カ月、数年、数十年の取材の結果分かることというものがある。そして、人間の歴史というものを考えてみると、むしろ、長期的取材の成果がより重要な意味を帯びてくることがある。
        金平茂紀の新・ワジワジー通信(3)
 金平氏は目先の報道だけに終わらないで、長い時間で事実を積み重ね、長期的取材の成果がより重要な意味を帯びてくると述べている。それが金平氏にとって「沖縄の現実」である。
 報道記者として素晴らしい考えの持主である。「沖縄の現実」に深い関心を持っている金平氏はキャンプシュワブのゲートで警備員に逮捕された平和運動センターの山城博治議長について「新・ワジワジー通信」で取り上げている。

辺野古に米軍の新基地を造ることに反対の声が多くあり、その反対運動の一翼を担っていた沖縄平和運動センター議長の山城博治さんが、2月22日に米軍キャンプ・シュワブのゲート前で、米軍警備員によって身柄を拘束され、その後、沖縄県警に身柄を引き渡され逮捕された。約32時間後に山城さんは釈放されたが、米軍直属の警備員による行動は、常軌を逸した形だった。山城さんは、抗議行動をしていたメンバーらにイエローラインの内側に入らないように自制を呼びかけていたところ、警備員がやってきていきなり山城さんを後ろから押し倒し、その後両足を持ち上げて体を引きずって(まるで重いごみ袋を引きずるようなモノ扱いにして)身柄を拘引(けんいん)し、続いて米海兵隊兵士が金属製の手錠を後ろ手にかけて、基地内敷地にしばらく放置した。
        金平茂紀の新・ワジワジー通信(3)
 ワジワジー通信には警備員に足を引っ張られる平和運動センターの山城博治議長の写真も掲載している。
 金平氏によると本紙北部支社の浦崎直己記者が山城さんが逮捕される様子を一部始終目撃していたという。浦崎記者は携行していたデジカメで何枚かのシーンを撮影した。その時に奇異なことに、山城さんが拘束された瞬間、現場には、米軍当局、沖縄県警がビデオカメラ数台で(確認できるだけで4台いた)拘束の模様を撮影していた。撮影用のバーまで用意して高い視点からの俯瞰(ふかん)映像を撮る念の入れようで、まるでドキュメンタリー映画か何かを撮るような体制が組まれていたと金平氏は述べ、民間のテレビ局は1局もその場にいなかったという。
 金平氏は山城議長が拘束されたユーチューブの映像を見ている。金平氏が見たユーチューブの映像を文字で再現してみる。

最初の画面にには

痛すぎるニュース
沖縄メデイア発狂!
山城博治逮捕の真相!

が映し出される。そして、次月と文字の画面が続く。

音楽素材提供
 Musik‐Note.jp
http://urx.nu/idul

山城議長逮捕の瞬間の写真
連行される写真、金網の前に座っている山城議長

小池晃氏のツイート
 山城博治さんらの米軍による不当拘束。沖縄防衛局は赤嶺政賢衆院議員に対して「世耕弘成官房副長官から問い合わせがあったが、米軍軍警のことなのでわからないと回答した」とのこと。一方、山城博治さんらの身柄は名護署に移されたと。赤嶺議員らが向かっています。
       2015年2月22日
福島みずほのツイート
 名護署は、山城博治さんたちを「刑特法違反」で、これから逮捕拘留手続きをとるとのこと。辺野古新基地反対運動に対する弾圧だ。国会議員、県議らも名護署に到着、署長へ面会要求しているが、名護署は拒否している。
           2015年2月22日
新聞記事と釈放された山城議長の写真と記事。

 名護市辺野古の新基地建設に対する抗議行動のさなか、米軍キャンプ・シュワブに侵入したとして刑事特別法違反の疑いで県警に逮捕されていた沖縄平和運動センターの山城博治議長(62)と男性参加者(63)の2人が23日夜、名護署に釈放された。那覇地検は今後、任意で調べを続ける方針。複数の県警関係者によると、22日の拘束は米軍独自の判断で、県警との事前の調整はなかったという。

 釈放された山城議長は「(提供区との境界を示す)黄色のラインを越えていない。私は騒ぎを抑えようと、皆にとりあえず下がろうと言っただけ。明らかに不当だ」と抗議した。「集会の日に逮捕というのは、嫌がらせだ。だが、逆に県民の怒りに火を付けた」と強調した。

赤い字で、
「黄色のラインは超えていない!」
の画面。
そうですか?
ほう、ソウデスカ?


当日の映像になる。

 イエローラインに山城議長一人が立っている。周囲にデモ参加者は居ない。離れた場所に三人の警官が立っている。山城議長と警官の四人は同じ青色のカッパをつけている。
 山城議長がゲートに居る警備員を見つめながらゆっくりとイエローラインを越えて、立ち入り禁止区域に入って行く。一度立ち留まる。それから数歩進む。手を振りあげて警備員に「来い」というゼスチャーをして警備員を挑発する。警備員が近寄ると後ずさりしてイエローラインの外に出る。
 同じ様子を別のカメラで放映する。三人の警備員が近寄ると山城議長の傍にデモ隊の一人が走ってくる。次々とデモ隊のメンバーがやって来る。山城議長がスピーカーを持ってイエローラインを越える。警備員が山城議長に近寄ると10人近くのデモ隊がイエローラインを越えて山城議長の周囲に集まる。
 デモ隊と警備員の小競り合い。小競り合いは立ち入り区域内で続く。デモ隊の数人は警備員に突っかかる。警備員が引いて小競り合いがおさまるが大柄な男が前に出て警備員に文句を言う。
 デモ隊の一部が警備員に突っかかる。警備員も対応する。警備員を抑える冷静な警備員。
 山城議長がデモ隊の前に出て、感情的になっているデモ隊に冷静になるようスピーカーで話す。警備員が山城議長を捕まえようとするがデモ隊の反発で失敗する。
 感情的になったデモ隊は警備員を指さし罵倒する。山城議長が出てきて冷静になるよう説得する。デモ隊に後ろに下がるように指示する。しかし、デモ隊も山城議長もイエローラインの中にいる。デモ隊が後ろに下がった瞬間に警備員は山城議長を捕まえる。
 10人以上の警官が出てきてデモ隊を抑える。
 二人が逮捕される瞬間の映像を繰り返し流す。

 最後に沖縄タイムスと琉球新報の記者がイエローラインの中に入っている写真。
「報道のためとはいえ法を犯していいのだろうか」

    映像終わり。

 ユーチューブの映像を見れば山城議長がイエローラインを越えて、警備員をからかっていることがはっきり分かる。ところが金平氏は「山城さんは、抗議行動をしていたメンバーらにイエローラインの内側に入らないように自制を呼びかけていたところ、警備員がやってきていきなり山城さんを後ろから押し倒し」と書いている。映像を見た後も文章を訂正していない。確かに山城さんは「イエローラインの内側に入らないように自制を呼びかけて」いるが山城さんもメンバーもその時はイエローラインの中に居たのである。金平氏は山城氏がイエローラインの中に居ないように書いているが、映像を見ればイエローラインの中に居たのは明らかである。金平氏は山城議長がイエローラインの中に居たのを映像で確実に見たのである。映像を見たのなら山城議長がイエローラインの中に居たことを書かなければならない。それが事実を伝える報道人のやることである。しかし、金平氏は書かなかった。書かないで映像の事実を隠蔽した。

後日、米軍のカメラで撮られた映像が外部に流出した。いや、この表現は不正確なので言い直せば、(この原稿の校正段階で発覚した事実だが)米海兵隊政務外交部次長ロバート・エルドリッジ氏が利害関係を同じくする第三者に映像を提供し、それがネット上にアップされた。その動画は、念入りに編集されたもので、ある意図を感じさせる代物だ。エルドリッジ氏は流出の責任を問われ、事実上解任された。
            金平茂紀の新・ワジワジー通信(3)
 ひどい隠蔽である。「その動画は、念入りに編集されたもので」はその通りである。「ある意図を感じさせる代物だ」の意図とは山城議長がイエローラインの中に入ったことを強調したものであった。ところが金平氏は「ある意図」を説明しないで、まるで山城議長を貶めるために念入りに編集したイメージを与えている。
 金平氏のいう「長期的取材の成果がより重要な意味を帯びてくることがある」というのは山城議長の映像から知る事実を隠して山城議長が不当逮捕されたと書くことなのか。長期的取材による嘘の報道が沖縄のためになるというのか。報道で一番大切なことは事実を伝えることである。事実を隠蔽した報道は報道ではない。事実を報道しない金平氏は報道人として失格である。
 エルドリッジ氏が解任されたのは事実である。軍の映像を許可なしに流出したのだから処罰を受けるのは当然である。ただ、エルドリッジ氏が映像を提供した原因は報道の虚実を暴くためであった。
 マスコミは山城議長はイエローラインの中に入っていないのに逮捕されたと報道した。山城議長もイエローラインに入らなかったと主張した。そうであれば警備員が違法行為をしたことになる。米軍が違法行為をしたとの報道に米軍人としてのプライドが高かったエルドリッジ氏は県民に事実を知ってもらうために映像をボギー手登根さんに渡したのである。
 ユーチューブで映像が流され、山城議長がイエローラインに入っていたことが明らかになった。山城議長がイエローライン内に入ったのはまぎれもない事実である。
 金平氏はエルドリッジ氏が責任を問われ、解任されたことを述べているが一番肝心な映像の内容には一言も触れていない。それどころかエルドリッジ氏の悪印象つくりに走っている。

この出来事の前にとびきりの常軌を逸した出来事があった。件(くだん)のエルドリッジ氏が、日本の良識ある英字新聞のひとつジャパンタイムズが「ファーライト(極右)・チャンネル」と表現する某インターネットTVに出演し、辺野古の基地反対の声を「ヘイトスピーチ」と同一視する発言をした。その昔、エルドリッジ氏は、大阪大学で日米関係論を学ぶ学者の卵だった。当時の彼のことを「日本のことをよく理解してくれるアメリカ人が生まれた」などと褒めそやす学者もいた。日本語を流ちょうに話し、一見人当たりのソフトな物腰の故だったからか。「ファーライト・チャンネル」に出演したことで、「彼の化けの皮がはがれた」とは、沖縄在住の政治学者ダグラス・ラミス氏の言葉である。
          金平茂紀の新・ワジワジー通信(3)
 問題は山城議長がイエローラインの中に入ったかどうかである。エルドリッジ氏が「辺野古の基地反対の声を「ヘイトスピーチ」と同一視する発言をした」としても「ファーライト(極右)・チャンネル」に出演したとしても山城議長の映像とは関係がない。山城議長がイエローラインを越えたか越えなかったはエルドリッジ氏が右翼であるか左翼であるかという思想問題とは別である。問題は映像になにが映っていたかということである。映像は嘘をつかない。
 ところが金平氏は映像の内容については述べないでエルドリッジ氏の過去のことを述べて、あたかもエルドリッジ氏が流出した映像に細工をして、映像としての価値がないようなイメージを与えている。
 なぜ、これほどまでに金平氏は事実を隠蔽するのか、それは次の文章で理解できる。

 山城さん拘束という事態が生じた日、NHKは全国ニュースとしてこの出来事をまったく報じなかった。NHK沖縄は、ローカルニュースとしてこの出来事を報じたが、それは大規模な基地反対集会が開かれたというニュースの最後に、付け足しのように10秒ほどで伝えただけだった。「植民地の傀儡(かいらい)放送局のようだ」と僕の友人は言い捨てた。
           金平茂紀の新・ワジワジー通信(3)
 金平氏は沖縄は米軍の植民地であるという思いが強い。基地反対集会は反植民地運動であり正義の闘いである。平和運動センター山城議長は正義の闘いの先頭に立っているのだ。金平氏がそのように思うのは自由である。報道人でも思想・信条は自由である。

 基地反対の情熱が強い山城議長がイエローラインを越えることはあり得ることである。イエローラインを越えたために警備員に逮捕されたことが山城議長の名誉を傷つけることにはならない。むしろ、基地反対の情熱が強いことをアピールすることができて、基地反対を主張している人たちへの高揚効果がある。逮捕されたことは不名誉なことではない。それなのになぜイエローラインを越えていなかったと報道したのか。山城議長もイエローラインを越えなかったと主張したのか。
 なぜ、堂々とイエローラインを越えたことを発表しないのか。山城議長がイエローラインを越えたことは大した問題ではない。逮捕されたのも大した問題ではない。重要な問題は沖縄二紙や本土新聞や山城議長が事実を隠蔽したことである。 

 金平氏は、「特にこの1、2カ月の間に沖縄の名護市辺野古周辺で起きていることは、率直に記せば、常軌を逸している」と述べている。そして、「常軌を逸しているにもかかわらず、メディアの多くが(それは地元の一部テレビ局をも含む)、それをなかったことのように振る舞っている」と述べている。
ユーチューブの映像を見れば、「常軌を逸している」のは山城議長の行動である。常軌を逸していたがゆえに山城議長は警備員に逮捕された。ところが金平氏もメディアも「それをなかったことのように振る舞っている」のである。
 沖縄の深刻な問題はこのように事実を隠蔽した報道をすることである。
 事実を巧妙に隠蔽するという報道人としては常軌を逸した金平氏である。
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