地方自治法・沖縄への認識がお粗末すぎる日本の学識者たち



新発売・沖縄内なる民主主義12 A5版  定価1490円(税込み)
新発売・違法行為を繰り返す沖縄革新に未来はあるか 定価1404円(税込み)

本土取次店 (株)地方・小出版流通センター
http://neil.chips.jp/chihosho/ TEL.03-3260-0355 
chihosho@mxj.mesh.ne.jp
県内取次店 株式会社 沖縄教販
電話番号098-868-4170
shopping@o-kyohan.co.jp

本土取次店 (株)地方・小出版流通センター
http://neil.chips.jp/chihosho/ TEL.03-3260-0355 
chihosho@mxj.mesh.ne.jp
県内取次店 株式会社 沖縄教販
電話番号098-868-4170
shopping@o-kyohan.co.jp

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村
クリックお願いします
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
地方自治法・沖縄への認識がお粗末すぎる日本の学識者たち
 20日、衆院憲法審査会は「国と地方の在り方」をテーマに学識者を招いて参考人質疑を行った。4人の参考人全員が、沖縄県に米軍基地負担が集中し、政府と対立する現状を問題視し、沖縄の自治権強化の道筋を論じた。しかし、地方自治法・沖縄への認識がお粗末すぎる彼らの道筋論である。
 
 沖縄大の小林武客員教授(憲法学、地方自治法)は知事選挙や衆議員選挙で普天間飛行場の辺野古移設反対を選挙公約にした立候補が当選したにも拘わらず、政府が辺野古基地建設を進めたことに対して、「地方自治をないがしろにするもの。国と地方の対等関係をまっとうに理解しているとは言えない」と批判した。そして、「地方自治を保障した憲法8章の『完全実施』こそ求められる」と述べ、根幹的な行政権の自治体への移譲を訴えた。
 小林氏は学者である。学者であるならば歴史的事実を検討し、客観的で冷静な判断をするべきである。
辺野古移設は島袋名護市長の時に政府と確約をした。そして、仲井眞知事の時に海の埋め立て地域を政府と合意した。だから、民主党政権の時に管首相が辺野古移設を最終的に決めたのである。この時に辺野古基地建設は政治的に決着したのである。この歴史的事実を小林教授は知っているはずである。ところが小林教授はこのことについて一言も言及していない。本当に学者なのだろうかと疑ってしまう。小林氏が教授ではなく、辺野古基地建設反対の政治活動家であれば、辺野古移設が決まった事実を隠して、辺野古基地移設反対派が選挙に圧勝したのに政府は一顧だにしないのは地方自治をないがしろにしていると主張してもいいだろう。しかし、学識者であるならば島袋名護市長、仲井眞県知事、政府が合意した辺野古移設を4年後の選挙で移設反対を選挙公約にできるかを検討するべきである。検討すれば移設反対を選挙公約にできないことが分かるだろう。
 小林教授の専門は地方自治法であるという。であるならば小林教授は地方自治法を知らない地方自治法学者であると言えるかも知れない。
地方自治法では辺野古に飛行場を造るか否かの権限を持っているのは名護市長である。県知事も衆議院も権限はない。名護市長に権限があるから政府は名護市長と交渉をしたのだ。そして、島袋市長の時になってV字型滑走路の飛行場を造ることで名護市長は政府と合意した。そして両者は確約をした。飛行場建設については政府は仲井眞知事と交渉していない。地方自治法では飛行場建設の権限は仲井眞知事にはなかったからだ。そんなことを知らない地方自治法専門の教授が居るのは信じられない。本当に小林氏は地方自治法専門の教授なのだろうか。やっぱり地方自治法を知らない地方自治法教授と言えるかも知れない。
 政府は小泉首相時代には陸上に飛行場を造りたかった。海の埋め立ては自然環境保護派の反対運動が起こる可能性があり、建設反対運動が高まる恐れがあったからだ。しかし、島袋市長は陸上につくると住宅の上を飛行機が飛ぶので騒音と危険性があるからと海の方に移動することを要求した。政府は島袋市長の要求を受け入れて海の方に移動することにした。滑走路をV字型にし、飛行場を海のほうに移動することで島袋市長は納得して政府と辺野古飛行場建設に賛成したのである。
海の管理は名護市ではなく県がやっている。海を埋め立てることになったから政府は仲井眞知事と交渉したのである。もし、陸上だけに辺野古飛行場を造るのなら政府と仲井眞知事との交渉はなかったのである。
 翁長雄志氏が県知事選に立候補した時、地方自治法を厳密に適用するなら辺野古移設反対を選挙公約にすることはできなかった。辺野古基地建設の権限は県知事にはなく名護市長にあったからだ。翁長氏が選挙公約にできたのは厳密言えば辺野古移設反対ではなく辺野古埋め立て反対であった。辺野古移設反対を選挙公約にするということは名護市長への越権行為になってしまう。だから本当は辺野古移設反対を選挙公約にすることは翁長氏はできなかった。地方自治法の側からみればそういうことである。小林氏が地方自治法専門の教授であれば、辺野古移設反対の選挙公約は県知事の越権行為であるから翁長氏が掲げた選挙公約を問題にするべきである。
 小林教授は「今やるべきは改憲ではなく、地方自治の保障の原点に立ち返り充実させることだ」と述べている。ところが地方自治法を無視して、知事選や名護市長選などで米軍基地反対候補が圧勝したのに、政府が一顧だにしない姿勢は地方自治をないがしろにしていると小林教授は政府を批判している。しかし、地方自治法に則ってやってきたのは政府である。地方自治法をないがしろにしたのは翁長知事である。だから、翁長知事の埋め立て承認取り消しが違法行為であると最高裁は裁決したのである。
地方自治専門の教授でありながら地方自治法に無知なお粗末な小林教授である。彼に教えられる学生がかわいそうである。

 大津浩明治大教授、斉藤誠東大大学院教授、佐々木信夫中央大教授の三人は沖縄県だけは自治権を特別に拡大するべきだと述べている。
大津教授「沖縄だけに認められる権限の委譲」
斉藤教授「基地の偏りは地方自治の侵害であるから憲法の地方自治保障を充実させていく」
佐々木教授「沖縄を独立させて沖縄ですべて決定できる仕組みをつくる」

 辺野古飛行場建設は新しい基地を建設するのではない。普天間飛行場を移設するのが目的である。普天間飛行場問題の解決方法として辺野古移設以外にあるのは閉鎖・撤去、国外移設、県外移設であった。3教授の提案が普天間飛行場問題を本当に解決する方法であるかを検討する。

 沖縄県が閉鎖・撤去を決定したとする。3教授の提案する沖縄県の自治権拡大の方法であると政府は普天間飛行場を閉鎖・撤去しなければならないことになる。しかし、閉鎖・撤去は日米政府にとって日本・アジアの平和を守るための重要な軍事問題である。それをアジア情勢・世界情勢に疎い沖縄県に一任するというのが3教授の提案である。沖縄県が普天間飛行場の閉鎖・撤去を決定すれば政府は沖縄県の決定に従い普天間飛行場を閉鎖・撤去しなければならないように地方自治法を改変するべきであるとするのは日本の安全、アジアの安全を考えていない教授たちであると思わざるを得ない。
 国外移設の場合は受け入れ国の了承や米政府の了承が必要である。日本政府は国外移設に反対であっても県が国外移設を決めたら県の決定に従い国外移設を実現させるために米政府を説得しなければならない。普天間飛行場の国外移設について政府より県が決定権を持つことは地方自治権の域を超えて沖縄県独裁になる。沖縄県独裁とは日本政府も米政府も沖縄県の言いなりになるということである。

 普天間飛行場の県外移設は翁長知事が主張し続けている。翁長知事は辺野古移設反対を選挙公約にしたが、翁長知事は保守であり日米安保条約には賛成している。だから、米軍が日本に駐留するのは賛成である。しかし、米軍基地が沖縄に集中していることに反対し、普天間飛行場は県内に移設するのではなく県外に移設するべきであると主張してきたのが翁長知事である。翁長知事は県外移設賛成・辺野古移設反対である。知事選挙で革新と手を組んだ翁長知事は革新と共通する辺野古移設反対を選挙公約にした。知事に当選した翁長知事は政府に県外移設を要求した。しかし、県外移設は小泉政権の時と鳩山政権の時に試みたが、普天間飛行場を受け入れる自治体がなくて断念した過去がある。県外移設が不可能であるから政府は辺野古基地建設を進めているのである。
 もし、3教授の言う通りに沖縄県の自治権を拡大して、沖縄県が県外移設を要求すれば政府は県外移設を実現しなければならないとしたら、沖縄県の自治権を変えるだけでは県外移設はできない。他の自治体は沖縄県の要求には反対をしないで受け入れなければならないというように自治権を変えなければならない。
 沖縄県の自治権拡大は他の自治体の自治権縮小につながるのである。これは地方自治法の基礎知識の中の基礎知識である。明治大、東大大学院、中央大の法律専門の教授でありながらそのくらいも知らないのである。これが日本の教授の実態である。彼らは文字の法律には詳しいかもしれないが、現実に実践しなければならない現場での法律には素人に近い。彼らは文字の法律専門家である。本当の意味での法律専門家ではない。
小泉政権時代に日本の学者は実際の政治改革には役に立たないと言われたが、4教授の沖縄地方自治法改革論案を見ればその通りであると言わざるを得ない。お粗末な教授たちである。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 妄想テロリス... 工事着工、辺... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。