TPP反対論への批判




山下氏は農業に従事している側からTPPに反対している。山下氏は20年前の「農業たたき」に反論して、20前に比べて、農家の総所得と生産者米価が半分になり、時給は200円以下になったがサラリーマンの税金は安くなったか、暮らしはよくなったかと述べているが、米は実質的に自由化していない。現在の状況は米の自由化を拒否し、減反政策をしてきた結果である。山下氏の主張する農業のシステムが現状をつくっているのであり、山下氏の反論は反論になっていない。

山下氏は、日本の一次産業のGDP比と米国のGDP比が大して変わらないのに米国は第一次産業が他の産業を犠牲していないのだから、日本の農業が他の産業を犠牲にしているという理屈は虚構の論理であると述べているが、アメリカは第一次産業の自由化を推進しているの国であり、アメリカの農家はTPPを歓迎し、日本にTPPを促している。日本とアメリカのGDP比が大して差はないことを根拠にしてTPPを否定するというのは筋が通らない理屈だ。アメリカを例に出すならTPP推進に賛成するべきではないのか。

TPPは日本の農業を大規模農業や企業農業に変革するということであり、山下氏の注視する➀➁➂は関係ないことだ。
大型店舗は商品が豊富であり、安くて市民生活に大きく貢献している。商店街がシャッター通りになり、仕事を失ったと、山下氏はまるで小売り業に従事する人間が減ったような印象を与えているが、大型店舗は売り場担当から、経理、営業、開発等々と多くの人間を雇用している。商店街は夫婦でやっている商店が多く、大型店舗のほうが雇用関係でもいい結果をうみだしている。
大型店舗は分業化が進み、店員から営業、開発とそれぞれの専門家がお客が満足するように頑張っている。商店街よりサービスがいいから大型店舗の客は多いのだ。


TPPとセットの農業の強化策は、山下氏のいう通り農産物の輸出と農業への企業参入である。しかし、それは日本の低所得者は中国の安い米を食えということではない。農業の大型化、農業への企業参入は日本の米生産が増加し、品質も向上することであり、日本の米がもっと安く買え、しかもおいしくなるということだ。
農業を企業家すれば米の品質改良はもっと早くなる。

山下氏は「この世から年寄りがいなくなるということはない」というが、まさに年寄りが農業をやり、若者の農業への参加がないことが大問題なのだ。年寄りの農業は生産力は落ち、小規模だから値段は高くなる。それが外国からの農産物輸入増加の原因のひとつでもある。
大規模農場、企業参加があれば生産力は高まり、値段は安くなる。むしろ農産物の自給率は高まる。


農業の専門的な知識もなく、大いなる情熱もないサラリーマンが定年退職をして親の畑を引き継ぐという山下流の農業こそが日本の農業を駄目にしている。親から子に継いでいく小規模農業ではなく、情熱があり、農業につい専門的な知識がある若者がどんどん農業をやるシステムをつくるべきだ。それには大規模農業、企業経営の農業を増やし、若者をサラリーマン並みの給料て雇用できるようにしなければならない。


山下氏の主張は日本の農業を衰退させていく農業理論である。
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