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土地の強制収用問題が起こる  24ページより

太田氏は、1876年(明治9)から始まる沖縄への日本軍分遣隊の沖縄駐留による土地接収も戦後のアメリカ軍による強制土地収用は類似した問題であり、琉球藩首脳が明治政府から受け取った土地代金を詐取したことと、琉球政府時代に土地代金の一括払いに賛成したことは同じ行為であると断じ、多くの民の利益が損なわれても自らの支配的地位、権力を得た人間たちであると決め付けている。

琉球藩首脳が日本政府から土地の代金を受け取りながらも地主に払わないで詐取したのは犯罪行為であり許されるものではない。だから後々に琉球藩首脳の詐取が帝国議会で問題になったのだ。しかし、戦後のアメリカ軍用地代金の「一括払い」に賛成するのは政治的判断の違いであり「犯罪行為」でもなければ「裏切り行為」でもない。
むしろ太田氏はアメリカ軍を絶対悪とみなしてアメリカ軍が沖縄に駐留しているのは間違っているという考えは偏っている。日本軍がハワイを奇襲攻撃したことから太平洋戦争は始まったのだ。アメリカは日本の軍国主義復活を恐れて日本を民主主義国家にしようとして日本に駐留したが、北朝鮮の南朝鮮への侵略、中国の共産党独裁国家の誕生があり、社会主義圏の拡大を防ぐためにアメリカ軍の駐留が本格的になった。そのような歴史の流れを見れば、アメリカ軍を悪と決め付けるのは間違いだ。
太田氏は軍事基地を「諸悪の根源」と決め付け、辺野古の普天間基地移設を容認することは「アメ」と「ムチ」政策に翻弄されているとして基地を誘致することは暴挙であり犯罪行為であると断言するのは一方的な判断である。


太田氏は現在の沖縄における基地や土地問題の悪しき実情は、まさに「薩摩の琉球侵略」時代と明治時代時代の対沖縄政策の延長線上あるといっても過言ではないと言い切っているが、それは違う。「薩摩の琉球侵略」、明治時代時代の対沖縄政策、アメリカ軍基地や土地問題はそれぞれ内容が違うし、沖縄の人々に与えた影響も違う。

薩摩の琉球侵略・・・「薩摩の琉球侵略」は封建時代を背景にしている。封建社会では武士と農民は身分差別されていて、土地は武士のものであり、農民は武士の所有物に等しかった。封建社会では武士同士の領土争いの時代だった。武力に強い武士が弱い武士の領土を奪い取る武力実力主義の時代に「薩摩の琉球侵略」は起こった。実力で琉球を支配した薩摩の行為は当然の行為であった。
沖縄でも三山時代があり、三山の中で尚巴志が一番強かったから三山を統一したということだ琉球王朝は八重山、大島も武力で制圧している。
太田氏は「薩摩の琉球侵略」を琉球処分などと称して琉球国を被害者のように見ているが、琉球王国も武力で八重山や大島を侵略したのだ。薩摩が侵略者であるなら琉球王国も侵略者である。太田氏は北山と中山を武力で制圧し、八重山、宮古、大島を侵略した尚家が作り上げた独裁国家の琉球王国を美化しているのだ。
琉球王国は独裁国家だったのだ。北朝鮮、中国、ミャンマーは独裁国家であった。そして、アメリカ軍が崩壊させたイラクも独裁国家だった。先週崩壊したエジプトも独裁国家だった。大田氏は独裁国家と民主主義国家を区別していない。

「薩摩の琉球侵略」の本当の犠牲者は琉球王朝ではない。本当の犠牲者は農民だ。薩摩に侵略されたからといって琉球王国の武士たちが野に下ったわけではない。彼らは以前として支配者の地位に君臨し農民から搾取したのだ。農民は薩摩と琉球王国の二重に搾取されますます貧しくなった。

明治時代時代の対沖縄政策・・・明治時代は日本が近代国家へと大きく変貌する時代であり、封建主義にこだわる琉球王国が中央集権近代国家へ変貌する明治政府に飲み込まれていく時代である。封建社会の独裁国家である琉球王国が支配するより明治政府の中央集権国家に組み込まれたほうが沖縄の庶民にとって歓迎すべきものである。廃藩置県によって人々は琉球王国の身分制度の縛りから開放されて、自由になった。本土に自由に移動することができ、農民の女性は本土に出稼ぎにいけるようになった。

アメリカ軍基地や土地問題・・・戦後はアメリカ民生府に政治改革によって、沖縄の人々は戦前よりも自由になり、活発な経済活動ができるようになった。二十歳になったら身分、貧富に関係なく投票ができるようになったのもアメリカ民政府時代からである。アメリカ兵の犯罪を沖縄の司法で裁くことができないという問題はあったが、県民同士の関係は自由で平等になり政治も三権分立を確立した。それはアメリカの指導によるものであり、戦前よりも沖縄の人々の幸福度はあがった。
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