島田懇を町の利益に利用













 上の写真が旧嘉手納ロータリーの写真だ。嘉手納ロータリーには、銀行、消防署、NTT、病院、家具店、電気工事社、レコード店、写真店、畳屋、レストラン、喫茶店、居酒屋、鉄工所、金物店、ビリヤードと多くの店があった。
 下の写真は新しい嘉手納ロータリーだが完成前の写真であり、写真では嘉手納ロータリーが一周できるが、完成した道路は写真の右側に四車線をつくり国道58号線は直線道路となり、左側の道路は町道となりロータリーは一周できなくなった。ロターリーは消滅した。
 上空写真では新嘉手納ロータリーのほうが立派に見えるが、嘉手納町の真ん中に位置する嘉手納ロータリー商業地としては一等地であり、多くの商店があったが、島田懇事業にょって多くの商店が嘉手納ロータリーから排除された。その代わりに町営のロータリー一・二・三号館ができ、防衛省や入国管理局が入居して、町に年間1億6千万円の賃貸料が支払われるようになった。
 新聞は「多くの箱モノが運営費さえ自力で捻出できない中、約8382万円の純益を出し、町が自由に使える財源を生んでいる」と高く評価している。しかし、評価に値するだろうか。
 
 島田懇は国の税金である。国の税金で町営のロータリー一・二・三号館をつくり、国の税金で運営している機関に貸して町が賃貸料をもらうということは、税金を国と自治体でたらいまわしすることになる。島田懇は基地周辺の経済活性化を目的にしている。しかし、嘉手納ロータリーでは、税金を使って民間の事業を追い出して、国の税金が嘉手納町に流れる仕組みをつくった。これは島田懇の町による悪用ではないか。

 嘉手納ロータリーの西北側にロータリー弁当という24時間の弁当屋があり、繁盛していたが、新嘉手納ロータリーは東側だけの直線道路になったために、ロータリー弁当の前を通の車は激減して売り上げはがた落ちしている。ロータリー内にはアメリカ人が多く来るメキシコ料理のレストランがあったが、読谷に移転した。嘉手納ロータリーの西側にあった市場は撤去してサンエーになっている。サンエーを誘致するのはいいと思うが、地元の店を発展させる工夫が足りない。

 前宮城町長が島田懇事業の誘致を成功させたが、町長にとって最大の目的は防衛局の誘致であり、地元の個人経営の店の発展は眼中になかったといえる。
 前宮城町長の島田懇事業の目的は町役場の収入アップだったのだ。
役場の収入は大別すると税金収入と国からの交付金と事業収入がある。前宮城町長は民間の経済を発展させることによって税金収入をアップさせるより、国からの交付金を利用して自治体の事業収入のアップを狙った。自治体の収入をつきつめれば税金である。国からの交付金も元々は税金だ。自治体は地元の事業の発展をバックアップし、地元の経済を発展させることによって税収入をアップする思想を基本するべきだ。

 しかし、宮城前町長は民間の経済発展は最初から考えていなかった。宮城前町長の家は嘉手納ロータリー内にあった。嘉手納ロータリーの様子は熟知していたはずだ。その宮城前町長がやったことがロータリーをなくし、ロータリー内の多くの店を追い出し、ロータリー周辺の店の売り上げをダウンさせ、町役場の直接収入をアップさせることだったのだ。

 嘉手納町のように沖縄の自治体には地元経済を発展させようとする意欲はない。嘉手納町で福祉分野で20件を超える新規事業を実施しているが、福祉始業は税金を使う事業であり、税金を町に納める事業ではない。

 地域経済の発展を目的に嘉手納ロータリーを開発するなら、ロータリー内に広い立体駐車場を作り、大規模店舗にはない店を集約させるべきだった。大規模店に客を取られるのは商品販売の店であり、商店街の多くは大規模店と重複する商品を扱っている。しかし、レストラン、喫茶店、美容院、居酒屋、手作りアクセサリーなど大型店舗を受けにくい個性のある店を集約させれば嘉手納ロータリーは経済発展するはずである。

 ところが現実は島田懇事業によって嘉手納ロータリー一帯の地元の店は消滅した。218億円をかけて町は民間経済を駄目にしたのだ。町の東側には道の駅をつくってある。道の駅は第三セクターだ。沖縄の自治体は自治体が直接事業やることや大きい事業に目を奪われ、地元の個人事業を発展させようとはしない。
 それは嘉手納町だけではない。沖縄のほとんどの自治体がそうである。

 嘉手納ローターは南部からやんばるに行く人間たちが休憩する場所として最適である。20年くらい前、まだコンビニエンスがない頃に、嘉手納ロータリーの近くで繁盛していた24時間の商店がふたつあった。週末になるとやんばるに行く客で賑わっていた。しかし、二つの店は駐車場ないという問題があり、交通渋滞の原因となり再三警察から警告されていた。さの店は国道の拡張工事で廃業した。

 嘉手納ロータリーは一等の商業地であるが、町はそれを潰した。 

 
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