集中協議にはがっかりさせられる


「翁長知事・県議会は撤回せよ謝罪せよ」
「一九七一Mの死」
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「沖縄に内なる民主主義はあるか」
第六章 八重山教科書問題はなにが問題だったか全文
第五章 普天間飛行場の移設は辺野古しかない全文
第四章 基地経済と交付金の沖縄経済に占める深刻さ全文
第三章 県議会事務局の米軍基地全面返還したら9155億5千万円経済効果試算の真っ赤な嘘全文
第二章 命どぅ宝とソテツ地獄全文
第一章 琉球処分は何を処分したか全文

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集中協議にはがっかりさせられる

 中谷防衛相は稲嶺名護市長と翁長知事と辺野古移設について会談した。

稲嶺市長との会談は名護市のホテルで行われた。防衛相が名護市を訪問して市長と会談したのは民主党政権だった2011年以来、4年ぶりとなる。

稲嶺市長との会談で中谷防衛相は「民主党政権時代に県外移設も検討したが、結局、辺野古移設が唯一の手段であるということで、その後、自民党が政権に復帰した。改めて政府の考え方を説明させてほしい」と訴えた。中谷防衛相の訴えに稲嶺市長は「辺野古移設の一点だけは、県民の世論調査や選挙結果を見ても受け入れは困難だ」と述べた。
 中谷防衛相の発言には新鮮味がない。だから、稲嶺市長も今までと同じ反論をすればいい。多くの県民は稲嶺市長の主張に納得するだろう。「改めて政府の考え方を説明させてほしい」といっても、今までの発言を繰り返すだけである。中谷防衛相がやらなければならないのは政府に反論している稲嶺市長の主張に反論することである。
 今までと同じ説明を繰り返すのはなんの効果もない。

 稲嶺市長との会談では辺野古移設が唯一の手段である」と言ったから少しはましだが、翁長知事との会談はひどい。

記者 防衛相から辺野古移設への理解を求めたり、知事から改めて辺野古移設はできないと返したりするやりとりはあったか。
知事 大臣に対してはなかったが、菅官房長官から原点が違うということで、辺野古が唯一だと話をされていたが、それはもっと柔軟に考えなければダメですよという話はしたが、それはそのことを言うために言ったのではなく、他の話をする時にそれが出てきたということ。

中谷防衛相は翁長知事とは辺野古移設について話していない。在沖米海兵隊に抑止力はあるということについて話している。

沖縄タイムスの記事である。

在沖米海兵隊に抑止力はあるか? 翁長知事と中谷防衛相が議論

翁長雄志知事は16日、県庁で中谷元・防衛相と会談した。在沖米海兵隊を「機動力、展開力、一体性から島しょ防衛、日本の安全保障上、不可欠」とする中谷氏の説明に対し、翁長知事は「弾道ミサイルが発達し、抑止力にならない。沖縄を領土としか見ていない」と返し、認識が異なる互いの主張を説明し合う形となった。
会談は約30分。在沖米海兵隊の抑止力を疑問視する翁長知事の指摘を踏まえ、中谷氏が政府の見解を説明した。
翁長知事は会談後、抑止力の説明を受け「生の声で聞いた意味はあるが中身に変わりはなかった。県民への思いや歴史的なことへの認識はなく、日本の防衛のために沖縄が必要だと説明があった」と、これまでの繰り返しだったとの認識を示した。
中谷氏は会談後記者団に、「地理的にも沖縄の海兵隊の存在が地域の平和と安定のために機能していると説明した」と述べ、翁長知事が指摘する米ソ冷戦期と現在の安全保障環境の比較について「冷戦後、危険性が軽減されるのではない。力の空白をつくらず抑止力を維持する必要がある」と強調した。
     「沖縄タイムス」
 会談はたった30分であった。それが集中協議と言えるだろうか。30分では在沖米海兵隊の抑止力について話すのにも不足である。辺野古移設については全然話すことはできなかったであろう。中谷防衛相は沖縄の海兵隊に抑止力があると主張したが、翁長知事は「もう、こういう(海兵隊基地の)要塞的な固定的な抑止力は、弾道ミサイルが発達しているなかでは、抑止力にならないのではないか」と反論している。

 政府の集中協議の目的は辺野古移設を翁長知事に認めてもらうことである。中谷防衛相の主張が正しくて、海兵隊に抑止力があるからといって、普天間飛行場を辺野古に移設する理由にはならない。
翁長知事は普天間飛行場の県外移設を要求している。そうであるならば翁長知事が主張するように海兵隊に抑止力がないからといって辺野古移設に反対する理由にはならない。二人とも辺野古移設とは関係のないことを主張している。
 中谷防衛相と翁長知事の会談の目的は辺野古移設問題の解決である。米軍の抑止力について話し合わなければならない理由はない。それなのに中谷防衛相は抑止力について述べたのである。東京からわざわざ沖縄まで来て話すようなものではない。
 県幹部は「冷却期間」を置き、柔軟さをみせることで「譲歩したが駄目だったというアリバイづくりに使われるのではないか」と危惧しているというが中谷防衛相の発言は県幹部の危惧通りだと言わざるをえない。

翁長知事は記者に
「辺野古が唯一の選択肢」という言葉は、これでもかこれでもかと繰り返し使われているが、両政府は県や県民に対してその根拠を詳しく説明したことがない。
と述べ、さらに、
「民主国家で大事なことは基地建設や部隊配備について、軍側の必要性だけで判断してはならないということである。そこに住んでいる人々は直接影響を受ける当事者であり、当事者や当該自治体の意向を無視した新基地建設はあってはならないことだ」
と民主主義を理由に辺野古の新基地建設を否定している。政府の矛盾を批判した上で辺野古建設を否定している翁長知事の方が正しいと思う県民は多いだろう。
 海兵隊に抑止力があるから普天間飛行場の辺野古移設を正当化する中谷防衛相の考えは間違っている。そのような考えでは翁長知事を納得させるどころか反論されてしまうだけだ。

 辺野古移設は海兵隊の抑止力とは関係がない。日米安保、地位協定とも関係がない。辺野古移設は普天間飛行場の騒音被害や墜落から宜野湾市民を救う人権問題である。
 米軍基地に反対だから辺野古移設に反対するのは根本的に間違った考えだ。米軍基地に反対であっても宜野湾市民の人権を守るために辺野古移設には賛成するのが民主主義思想である。人権を重んじる民主主義思想家であれば辺野古飛行場移設に賛成し、辺野古飛行場ができて普天間飛行場を移設してから辺野古飛行場撤去運動をするべきである。
 辺野古飛行場ができれば新しい基地だから100年も居座るというのは嘘である。普天間飛行場でも改修すれば100年も居座ることはできる。基地を撤去するか否かは基地の耐用年数ではない。政治判断である。基地があたらしいか古いかには関係ない。
 沖縄に米軍基地がある原因は主に中国が共産党一党独裁国家であり周囲国に侵略するからである。中国が100%侵略しない国家であれば沖縄の米軍基地は必要がない。そうなれば沖縄の米軍基地は撤去するだろう。当然辺野古飛行場から米軍は撤退し民間飛行場になるのは間違いない。新辺野古飛行場ができれば100年も居座るというのは嘘である。
 普天間飛行場であっても辺野古飛行場であっても日米政府が100年後も必要だと思えばあり続けるだろうし、10年後に必要がないと判断すれば米軍は撤去する。それが真実だ。
 辺野古移設は米軍基地の維持や強化とは関係がない。純粋に宜野湾市民の騒音被害や人命危機などの人権を守るのが目的である。中谷防衛相が本気で翁長知事を説得するのなら宜野湾市民の人権を守るために辺野古移設を承知してくれるよう頭を下げるべきである。
 翁長知事が沖縄の米軍の過重負担を主張し、米軍には抑止力がないと主張しても、辺野古移設は基地問題ではなく宜野湾市民の人権問題であることを主張し、翁長知事に理解を求めるべきである。残念ながら中谷防衛相には辺野古移設を人権問題として訴える様子はない。沖縄の米軍基地の抑止力を説明して理解させることによって辺野古移設を容認させようとしている。中谷防衛相が辺野古移設の本質を理解していないのではないかと気になってしまう。

 普天間飛行場移設に関しては翁長知事に決定的な矛盾がある。翁長知事は県外移設を主張しているがオール沖縄がつくった建白書には県外移設の文言はない。建白書に書いてあるのは普天間飛行場の閉鎖・撤去である。翁長知事はオール沖縄とは違う主張をしているのだ。それに県外移設を希望する県民は33・4%であり、過半数にも満たない。県民総意とは程遠い。

 国外移設・・・37・2%
 県外移設・・・33・4%
 閉鎖・撤去・・・15・4%
 辺野古移設・・12・6%

 33・4%の賛同者しかいないのになぜ翁長知事は県外移設を主張するのか、その根拠を説明するように要求すれば翁長知事は応えきれないだろう。それに翁長知事を支持している共産党などの革新は閉鎖・撤去を主張している。翁長知事の主張する県外移設ではない。建白書の実現を主張している島ぐるみ会議も閉鎖・撤去を主張していて翁長知事が主張している県外移設ではない。
 革新政党、島ぐるみ会議は閉鎖撤去を主張しているのになぜ翁長知事だけは県外移設を主張するのか、革新政党、島ぐるみ会議との違いをどのように認識しているのかを追求すれば翁長知事を窮地に追い込むことができる。
 しかし、中谷防衛相は翁長知事の矛盾を追及することはしないで海兵隊の抑止力を説明した。これでは翁長知事の主張を覆すことはできないだろう。

菅官房長官は移設作業を約1カ月中断したことについては「約2カ月前から(安慶田光男)副知事と10回くらい会い、県の考えも聞いて発表した」と述べ、翁長市長と集中協議することについては「国と県がガチンコすることなく、冷却期間をおいて話し合うことはものすごく大事だ」と述べている。政府は集中協議でガチンコしない方針のようである。
安倍政権は、昔から自民党政治にある、ポイントをぼかした協議をして、うやむやな状態で解決するやり方を辺野古移設でもやろうとしているようだ。政府は辺野古移設をできるだけ穏やかに進めたい。革新が騒ぐのは仕方がないが保守の翁長知事が騒ぐのはあまりよくない。なんとか穏やかにしたいという考えなのだろう。

県外移設希望は33・4%しかいないのに県民の総意は県外移設であると嘘をついていること。県外移設ではなく閉鎖・撤去を主張している革新と手を組んでいる矛盾。そんな沖縄の政治の矛盾は安倍政権には関心のないことなのだろう。


18日(火)の首相官邸で行った第2回集中協議には政府側は菅義偉官房長官、岸田文雄外相、中谷元防衛相、山口俊一沖縄担当相、杉田和博官房副長官とそうそうたるメンバーが参加した。お偉いさんを揃えることで政府の誠意を示したつもりであろうが、このようなやり方では辺野古移設問題を掘り下げることはできない。辺野古移設問題は外交問題とは関係ないし、国防問題、沖縄問題とも関係がない。辺野古移設問題は人権問題である。
菅長官は、双方の歩み寄りの可能性について「難しい状況は変わらない」と述べたというが、当然のことである。

ピンチに立たされているのは政府ではない。翁長知事である。辺野古飛行場は確実に建設される。翁長知事が建設を止めることはできない。
埋め立てが始まり、辺野古建設を阻止することができないことを県民が認識できるようになった時、辺野古移設阻止を公約にした翁長知事は辞職に追い込まれる可能性が高い。知事の座から落ちれば革新は保守の翁長知事から去っていくだろう。自民党と縁を切った翁長知事は政治生命が立たれる可能性が高い。今の翁長知事は政治生命の分岐点に立っているといっても過言ではない。そのことを一番知っているのは翁長知事自身である。

菅長官は2カ月前から安慶田光副知事と10回くらい会ったと述べている。そして、県の考えも聞いた上で1カ月間ボーリング調査を中止し5回の集中協議を決定したことを述べている。
なぜ10回も会ったのか。裏取引のために会ったとしか考えられない。翁長知事としては8年間は知事の座に留まりたいはずである。しかし、今の状態では4年間さえ持たない。もしかすると来年には知事の座から落ちてしまう。翁長知事は延命に必死であろう。

2回目の集中協議で、仲井間知事時代に取り上げられた普天間飛行場の5年閉鎖を翁長知事が要求した。菅長官は、普天間の閉鎖に全力で取り組む方針を示す一方、「地元の協力がなければ難しい」と伝えて辺野古移設に理解を翁長知事に求めたという。
革新は辺野古が埋め立てられ、辺野古飛行場建設を阻止することができないことが確実になっても辺野古移設反対運動を続けるだろう。しかし、翁長知事は反対運動を続けるわけにはいかない。翁長知事を支持している保守は阻止することができないことが分かれば移設反対運動から離れていくからだ。
翁長知事が生き残るには辺野古建設を容認するしかない。容認すれば革新は翁長知事を非難し離れていく。そうなれば自民党県連に合流するしかない。合流はできるか。合流するためにはどうすればいいか。県民が納得できるように辺野古移設を認めるにはどうすればいいか。辺野古移設を認める時期は。
集中協議の裏のテーマがこういうものであるような気がする。

集中協議第1・2回から予測するのは翁長知事の来年の自民党回帰である。沖縄の政治は腐敗したまま。

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