アメリカは自由と民主主義の国   

アメリカは自由と民主主義の国 
 6日、トランプ大統領の支持者らが連邦議会議事堂を囲み、一部が警察によるバリケードを突破して内部に侵入し、一時占拠した。議事堂では当時、大統領選の結果を確定させる連邦議会上下両院の合同会議が開かれていたが、議事は中断し、合同会議の議長を務めるペンス副大統領や議員が避難する事態になった。
 侵入を受け、ワシントンのバウザー市長は午後6時から夜間外出禁止令を発令し、政府は州兵を出動させた。議事堂に侵入した人は午後6時前に排除され、安全が確保された。議事堂で銃撃された女性を含めて5人が死亡した。
 トランプ支持派による選挙不正騒動は続いたが、20日にバイデン氏が大統領に就任した。

 大統領選挙からバイデン氏の大統領就任まで見ながら、アメリカはやっぱり自由と民主主義の国だなあと思った。
 トランプ支持者は暴力を駆使して議事堂に侵入した。しかし、彼らが主張したのは選挙不正への抗議からであって、議事堂を占拠して政治権力を暴力的に奪おうとはしてはいなかった。トランプ支持派の行動は議会背民主主義の基本である選挙の正当性を守らせるのが目的であった。民主主義の闘いであったのだ。
 自由と民主主義は一体ではない。自由と民主主義は対立もする。トランプ支持派が選挙の不正を正そうと運動したのは民主主義である。しかし、議事堂に暴力で侵入したのは思想は民主主義であっても行動は、民主主義の法を破る行為であった。法を破る非民主主義である。安田行動を占拠した学生運動は行動も思想も非民主主義であったが、トランプ支持派の議事堂侵入は民主主義崩壊の「分断と革命前夜」のような行動ではなかった。民主主義の少し行き過ぎた行動といったところだ。
 アメリカが何人でも絶対に崩せない強固な自由と民主主義の国であり、民主的な手続きで大統領は決まると思っていたから、大統領選挙騒動は高みの見物をしていた。

 気になるのはバイデン政権の中国政策である。知的財産の保護、技術移転禁止、米金融サービスの拡大などトランプ大統領が中国と条約を結んだのはバイデン政権も守ると思うが、もっと中国に圧力をかけるか否かが重要である。
 習近平主席は米国とは米国企業の自由を許しながら国内企業に対しては「国進民退」政策によって国営企業を優遇し民間企業は冷遇している。トランプ政権は第二次交渉で習政権の国営への過大な援助をするなと要請するはずだった。
 企業とは利益を上げて国に税金を納めるものである。ところが中国は赤字の国営企業に莫大な資金援助をしている。「国進民退」は莫大な援助によって国営企業を守る政策である。アメリカ流資本主義に反する中国の国営企業優遇に反発していたのがトランプ政権であった。バイデン政権が「国進民退」批判を展開するか否か。気になるところである。

サキ米大統領報道官は25日の記者会見で、対中国政策について「中国への対応は過去数カ月と同じだ」と語り、トランプ前政権が打ち出した強硬路線は当面維持する考えを示した。それが米国の基本でありトランプからバイデンに代わっても米国の対中国政治は同じである。サキ米大統領報道官は、
「私たちは中国と激しい競争をしている。中国との戦略的競争は21世紀を決定づける特徴だ」
と述べて中国とは戦略的競争を明言した。

サキ氏は中国の習近平国家主席が世界経済フォーラムの講演で米国との協調を訴えたことは米国の対中姿勢に影響を与えるかを問われ、
「それはない」と明言。
「中国はこの数年、国内でますます強権的になり、対外的な主張を強めている。中国は米国の安全保障、繁栄、価値観に挑戦しており、新しいアプローチが必要だ」と述べた。
習主席の「国進民退」には反対の意思を明確にした。「国進民退」批判を展開する可能性はありだ。

バイデン政権はトランプ前政権の「米国第一」路線を転換し、同盟国との協調を通じて対処する方針を重ねて示した。
TPPはオバマ政権の時に計画した。トランプ大統領は「米国第一」で脱退したが、協調路線のバイデン政権がTPPに復帰するのは確実である。TPPにオーストラリアは参加している。イギリスも参加表明している。米国が参加すれば政治・軍事に加えて経済でも中国包囲網が形成される。中国に内外から圧力を加えて中国の民主化を進めてほしい。
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