我々の世代でカタをつけなくてはならない ウクライナ

我々の世代でカタをつけなくてはならない ウクライナ

キーウ在住のジャーナリスト・古川英治氏による最新報告「怒りと裏切りのウクライナ」を一部転載します。(月刊「文藝春秋」2023年3月号より)

50代の女性医師は夫とともに「郷土防衛隊」に参じている。首都の空港の防衛や近郊の町の攻防に加わり、いまも東部の前線に立っている。彼女がキーウに一時帰還した時に取材すると、こう語った。

「ウクライナが勝つと私は楽観視しているが、それまで私が生き残るかは分からない。私たちの多くは死ぬことになるだろう。最悪なのは中途半端に戦を止めることだ。歴史を見れば、ロシアは常にウクライナを侵略し、市民を殺している。我々の世代でカタをつけなくてはならない」

 ウクライナの強さは国民一人一人が自由、民主主義思想が強いことだ。ウクライナの自由、民主主義のためなら死を厭わない。

ウラジーミル・プーチン大塗料が真冬に停電を引き起こすことでウクライナ人の戦意をくじこうとしたのならば、うまくはいっていない。市民から聞かれるのは、
「自由の見返りだと思えば、たいしたことはない」

 容赦ない無差別攻撃、占領地域での残虐行為、食糧やエネルギー供給への打撃まで、プーチンがウクライナ人を痛めつけようとすればするほど、侵略者に抵抗する士気は高まる。

 最新の世論調査によれば、ウクライナの勝利を信じる国民は95%に達した。2014年からロシアが不法占拠するクリミア半島を含むすべての領土を解放するまで戦いを続けるべきだと大多数が答える。「我々の世代でカタをつけなくてはならない」決意で。
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